再来週にほぼ皆既月食があります。
5月にも皆既月食がありましたが、遠征して根性で撮影しました。


8月のペルセウス座流星群は惨敗。
どうも気合を入れると天文現象は曇る傾向があるような。

とはいっても、準備不足は良くないので、5月の皆既月食の時に準備せず
大変だった広角での連続撮影を自動化しようと思います。



■やりたいことは何か

ご存じの通り、皆既月食前後は1/500秒でも飽和するような明るさで、
皆既中は数秒露光しないと写りません。

単純に一定時間間隔で撮影するのは簡単。
カメラ内インターバルタイマーでもできますし、外付けのタイマーでもOK。
ちょっとした露光の違いならブラケットを使えばよし。
被写体が大きければカメラ任せの露光でも何とかなります。

ただ、今回は被写体が小さすぎます。輝度差も大きいので、
自由に露光時間やISO感度を変更して撮影する必要があります。




皆既日食のため、むかーし記事にしていましたね。
この時はLinuxのlibptp2というライブラリを使いました。

ただ、いまさらUbuntuをインストールするのも面倒です。
同じ方法で動作するかもわかりませんし…


■どうやって実現するか
ということで、フリーソフトのDigicam Controlに白羽の矢を立てました。
http://digicamcontrol.com/


このソフトはNikonユーザなら使ったことがあるかもしれません。
純正でテザー撮影ソフトをフリーで提供してくれるCanonと違い、
Nikonは有料なので、代わりに使う方も多いようです。


メインはテザー撮影ですが、スクリプトもサポートしています。
今回はこの機能を使って自動撮影してみようと思います。



■自動撮影のやり方
まずはソフトをダウンロードしてインストールしてください。
https://sourceforge.net/projects/digicamcontrol/files/digiCamControlsetup_2.1.2.0.exe/download


ソフトを起動し、次にカメラをUSB経由で接続します。
自動でカメラが検出されるはずです。
001


接続が成功すると、左上にその時点のカメラの設定が表示されます。Digicam Controlからも変更できますし、カメラ側での設定変更も可能です。
002


撮影前に変更しておいたほうが良い項目は下記のとおりです。
・シャッタースピードはマニュアル(M)
・フォーカスもマニュアル
・手振れ補正はOFF
・長秒時、高感度時のノイズ低減をOFF
・ホワイトバランスは固定(今回は太陽光)


また、Digicam Controlから、左下のTransferを「2. Save to camera only」としておきます。これが「3. Save to PC and camera」になっていると、カメラとパソコン両方に画像が保存され、時間がかかってしまいます。
003


設定が終わったら自動で撮影してみましょう。
ツールバーのPlugin→Tools→Script Executionをクリックします。
004



すると、こんな画面が表示されるはずです。
005


「CODE」欄に下記をコピペしてください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<dccscript> 
  <commands>
         <setcamera property="iso" value="200"/>
         <wait time="3"/>
         <setcamera property="shutter" value="1/500"/>
         <capture/>
         <wait time="3"/>
         <setcamera property="shutter" value="1/125"/>
         <capture/>
         <wait time="4"/>
         <setcamera property="shutter" value="1/30"/>
         <capture/>
         <wait time="3"/>
         <setcamera property="shutter" value="1/8"/>
         <capture/>
         <wait time="3"/>
         <setcamera property="shutter" value="1/2"/>
         <capture/>
         <wait time="4"/>
         <setcamera property="iso" value="1600"/>
         <wait time="3"/>
         <setcamera property="shutter" value="1/4"/>
         <capture/>
         <wait time="3"/>
         <setcamera property="shutter" value="1s"/>
         <capture/>
         <wait time="5"/>
         <setcamera property="shutter" value="4s"/>
         <capture/>
         <wait time="7"/>
         <setcamera property="shutter" value="15s"/>
         <capture/>
         <wait time="257.5"/>
</commands>
</dccscript>

これは何をしているかというと、
・ISOを200に設定
・1/500秒露光で撮影
・3秒待機
・以下、1/125秒、1/30秒、1/8秒、1/2秒露光で撮影し、3秒ないし4秒待機
・ISOを1600に設定
・1/4秒、1秒、4秒露光で撮影し、3秒~7秒待機
・15秒露光、257.5秒待機

この露光セットなら、月の状態が何であれ、どこかの撮影で適正露光になるはずです。
これを適当な回数コピペすれば、5分に1回の間隔で適正露光で撮影できるわけですね。
今回は4時間分(=48回)コピーしておけば、月出から皆既終了まで撮影できるでしょう。
ループ処理もできるとは思うのですが、どうもXMLのFor分は面倒くさそう。
コピペしたほうが早いと判断しました。


当然ですが、各撮影の間隔はZ6Ⅱに最適化してあります。
2秒インターバルだと誤動作しました。3秒なら大丈夫そうです。
ただ、露光時間が長くなると、待機時間は露光時間を含むので、
例えば4秒露光ならプラス3秒で7秒待機しないと上手くいきません。

待機時間を弄ると、1セットが5分ぴったりにはならないので
15秒露光の後の待機時間を最適化してください。


「Run」を押せば、露光が始まります。
ちゃんとシャッターが切れるか、何秒で終わるかを確認してください。

006


本当はもっとスマートな方法があるのかもしれません。
ただ、Digicam Controlでサポートしている他のスクリプトは上手く動作せず。
Tcl scriptはシャッターは切れるものの、変な動作をしてしまい諦めました。


さて、後は晴れるのを待つばかり、ですね。