星ナビ8月号に私の作品を掲載していただけました。
昨年にテカポで撮影したガム星雲です。
GumLRGB_2nd_print

再処理時の記事はこちら。



再処理時から手直ししたので、少しはマシになったはずなんですが、
強引にOⅢを乗っけた感が出てしまい、

選評でもその点を鋭くご指摘いただきました。
仰る通りですね。ちょっと無理し過ぎたかなと…
ナローでの他の入選作品はフィルタをしっかり使いこなされているので、
ちょっと恥ずかしいですね。


以下、思い出話をつらつらと書き記します。

この作品、テカポでの挙式を決めた頃から構想は始まっていました。

・カメラ
手元にはHKIR改造のD610とD810Aがあります。
D810AのHαの透過度は6割くらいで、改造機のようにほぼ100%
透過するわけではありません。できればHαはD610に任せたいところ。
ただ、D610はノイズが気になります。OⅢとRGBはD810Aで撮影したい。

・ナローバンドフィルタ
というわけで、半年前にAstoronomik (Gard Newmann)で12nmのHαとOⅢを購入。
https://www.astronomik.com/en/clip-filter/xl-clip-filter-nikon-vollformat-d800-d810-und-d850.html

この時は6nmにするか悩んだのですが、デジカメ用ですし半値幅は狭すぎないほうが
いいよなと思い12nmに。
結果論ですが、Hαはともかく、OⅢは6nmにすべきでしたね。

・レンズ
せっかくのナロー、しかもHαとOⅢを別々に撮影するとなると、
軸上色収差は無視できます。
ガム星雲用となると、画角は50㎜。ちょうど明るいレンズがそろっています。

手持ちのマニュアルレンズ、Ai Nikkor 50mm F1.2とF1.4は
びっくりするくらいのコマ収差でNG。
じゃあデジタル撒き餌レンズ、AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gならどうだ!と確かめると
こちらも周辺がキビシイ…

素直に50㎜Art行っておけ、という気もしますが、中古でも約7万円x2で結構高価なのと
重さが800g強x2は海外遠征では無視できません。

そこで白羽の矢を立てたのがタムロン45㎜F1.8
新品でも4万弱、中古なら3万円くらいとお財布にやさしく、重さも480gと及第点。
2本購入し、スカイメモRに同架するシステムとしました。

周辺像は解放だとちと厳しいですがF2.8なら十分実用になります。
軸上色収差は目立ちますが、F4~5.6まで絞れば無視できそうでした。

そこで、HαとOⅢをF2.8で、RGBはF5.6まで絞って撮影することとしました。


・現地での撮影
4泊したうち、初日を除く3日は天気に恵まれました。
満天の空の中、立ち昇る天の川をガン無視しひたすらHαとOⅢで撮影を続けます。
2日目は結婚式前日でしたが、妻を放置して一人でせっせと撮影。
結婚式前日に、テカポでデジカメでナローを撮っていたのは
世界で私だけという自信があります(笑)

もちろん妻のご機嫌を猛烈に損ねたことは言うまでもありません。
そんなこともあり、苦労した分入選できて良かったです。


・反省点
Hαは十二分すぎる写りでしたが、OⅢは写ってはいるものの、
星雲のコントラストがいまいち…

画像処理詳細については前記事に書いた通りですが、そのせいで苦労しました。

マルさんに城里で「ナローは狭ければ狭いほど良い
とアドバイス頂きましたが、その通りですね。
もし次があるなら、OⅢは6nmにすべきです。もっと狭くてもいいと思います。

EOSなら、OPTLONGのFFフィルタがあります。しかも安い!
昔はNikon用もあった気がしますが、売れていないんですかね…
無くなってしまったようです。

https://www.syumitto.jp/SHOP/1020027/list.html


または、軸上色収差がない光学系で、1shotで撮れるSTC AstroDuoで撮影するのが
良さそうです。OⅢのほうがHαよりも半値幅が狭そうですので、ガム星雲には
向きそうだなと。作例を見ても、OⅢはコントラストつきそうです。


                      シュミットさんのWebサイトより引用

またはIDASのNB1かNB2ですが、NB1はキャノンオンリーで、
NB2は他フィルタとの組み合わせが必須。
Nikonだとカメラレンズでの運用は難しいです。


まあ、いろいろ悩みは尽きませんが、
手持ちのフィルタ類でも画像処理はもう少しやりようがあると思うので、
たまには今回のセットも使ってあげようと思います。