掩蔽・限界線と言う言葉をご存知でしょうか?
あまり聴きなれない言葉だと思います。

でも、日食なら聞いたことがあると思います。
見たことがある方も多いのではないでしょうか。

日食は、月が太陽を隠す現象です。
太陽は一つしかありませんが、夜空にはたくさんの星があります。
それらの星も同じように、月に隠されます。これを星食と呼びます。

また、月でなくても、たとえば小惑星が星を隠すなんてこともあります。
これは小惑星掩蔽と呼ばれています。

これらを下に少しまとめてみました。

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これら以外にも、惑星が太陽を隠す日面通過や、惑星が衛星を隠す惑星による掩蔽などがあります。

また、月に星が隠される掩蔽ですが、星が月のふちぎりぎりをかすめていく現象もあります。
これは限界線(接食ともいいます)と呼んで区別しています。

月にはクレーターがたくさんありますが、これによって表面がでこぼこしています。
となると、月表面の地形によっては、星が見え隠れします。

下の図を見てください。

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隠される星(対象星といいます)が左から右へと動くとすると、月の縁がでこぼこしているので、
この図のような場合は、2回隠されて、2回出てくることになります。

観測する際は、月の暗い側ですので(明るい側だと明るすぎて、対象星が見えない)、
月の縁は見えません。
というか、そんなに細かい凹凸は地球上からではわかりませんので、いきなり星が視界から消えます。
そして、いきなり出てきます。

この限界線観測によって、正確な時間、位置が分かれば、地球、月、対象星の位置がわかりますので、
月の詳細な表面の地形が計算によって求めることができます。

基本的に星は「静」であり、ずっと夜空を見上げていても変化はほとんどありません。
例外の「動」の現象といえば、流れ星、オーロラ、そして掩蔽です。
この中でも限界線は、なんとも言えない独特の緊張感があり、スリリングでとてもおもしろいです。
世の中にあまり認知されていないのはなんとも残念ですね~。

具体的な観測方法は、いつ、どこで限界線が起こるかの予報に従って、限界線が起こる場所まで行き、
望遠鏡を使って観測します。ま、用は、望遠鏡と遠征する根性(休日、近場で起こるとは限らない!)
があれば誰でも観測できます。

目で見ることによっても観測できますが、最近はより正確に観測できるビデオカメラを使っています。


前置きが長くなりすぎましたが、ここからが本番です。

10月21日28時(22日04時)に滝川市で限界線がありました。観測結果はこちら。


データ

2008.10.22 04h46m~47m
望遠鏡:Vixen R200SS+2.4倍テレコンバーター
赤道儀:Vixen SX赤道儀(恒星時追尾)
カメラ:WATEC WAT-100N、ソニー製DVに記録

今回は1回対象星が隠され(04時46分13.16秒)、1回出てきました(04時46分34.24秒)。
まあこれだと通常の星食とあまり変わらないのですが・・・。

最近は天気が悪く、今月8日、そして今日も限界線があったのですが天候不良により断念。
次は12月7日になりそうです。

晴れるといいですね。