かなり前からR200SSとひたすら格闘してきましたが、ようやくテストが終わって
「私の手には負えない」ということがはっきりしたので、記事にしたいと思います。
きっかけはR200SSシステム変更からでした。
システムはとりあえず置いておいて、まずはこの写真をご覧ください。
R200SS、MPCC使用、D40改(UIBAR-Ⅲ FF)、ノートリミング
MPCCを使用しているのですが、どうも星像がおかしいです。
星の周囲に縁取りのような謎のものが出来ています。
中心部拡大です。
もちろん光軸調整をした後です。100%とはいえませんが、80~90%くらいには
なっているはずです。
状況をより詳しく判断するために、NくんからKissX3をお借りして、ライブビューで1等星(アルタイル)を見てみるとこんな感じでした。
a)の状態では中心に丸い部分があり、周囲はトゲトゲが見えています。
この状態で撮影すると上の写真のようにスパイダーは1本になりますが、縁取りが出来ます。
b)の状態が一番星像が小さくなった状態です(トゲトゲ部分を星とした場合)。
星はほぼ真円に見え、スパイダーによる回折像がうっすら二重に見えます。
b)の状態だと以下の写真のようになります。
星は若干甘いものの、縁取りは消失します。
しかしライブビューから予想されるように、スパイダーによる回折像は二重に見えます。
まとめると、
ⅰ)スパイダー基準でピントを合わせると、星の周りに縁取りが出来る。
ⅱ)星像を最小にすると、縁取りは消失するが、像が若干甘くなるとともにスパイダーによる回折像が二重になる。
この現象の原因は、次の4つのうちのどれかです。
①カメラ(D40)が悪い
②フィルター(UIBAR-Ⅲ)が悪い
③コマコレ(MPCC)が悪い
④R200SSが悪い
幸いにもうちのサークルには他社のカメラ、コマコレも4種類ありますし、R200SSはもう一台あります。
検証にはもってこいです。
まず、①の可能性を消すためにカメラをKissX3ノーマル機にしました。
結果は全く同じでした。よって①の可能性は排除できます。
②の可能性も排除できましたが、一応FFフィルターを外してみました。
結果はもちろん同じ。①、②の可能性は無くなりました。
次は③、ビクセン純正コマコレ1に変えてみました。
症状は同じです。
コマコレ2でもKissX3で後日確認してみましたが・・・
もちろん同じ。
で、コマコレを外してみました。
周辺はともかく、中心は無収差になるはずです。
視野中心部です。微妙に光軸がずれていますが、いい感じです。
一応周辺像も載せておきます。ほぼ「理想的な」=「光軸が合った状態での」コマ収差だと思います。
今回は「スパイダーが一重になったとき」=「星像が一番小さくなったとき」
でした。
となると、原因はMPCC??
④については、いろいろ原因が考えられますね。
まずはこちらをご覧ください。
光軸修正後、星の撮影前の状態です。
タカハシセンタリングチューブ/センタリングアイピースを使用しています。
悪くないと思うのですが・・・
もちろん100点ではないにせよ、90点くらいはあげられると思います。
それでここまで星像が悪化するとは思えません。
とはいえ私のR200SSのみおかしい可能性もありますので、会のR200SSを使って撮影してみました。
まずはMPCC。
続いてコマコレ2。
傾向は同じですが、若干縁取りは小さいですね。
私のR200SSについては、斜鏡は洗浄しましたが、それ以外は特に何もしていません。
R200SSの場合、斜鏡セルというか金具??に斜鏡が貼り付けられているので、おかしくは
ならないはずです。
一応センターマークも打ち直してやり直してみましたが、特に変化はなかったです。
完璧ではないにせよ、正しい位置(回転・前後位置)にあるはずです。
主鏡はかなりいじりました。
洗浄をしつつ、主鏡押さえの爪を削り、爪隠しをつけています。
主鏡はシックネスゲージを使い、セルの中心に来るように入れました。
R200SSの場合は上部3箇所に爪押さえが、横からも固定用の金具?が6箇所ありますが、
どれも強くネジを回したりはしていないはずです。
程度は違うのですが、会のR200SSでも見られたわけですから、そもそもこれで正しいのかもしれません。
以上の情報を総合して、私なりの推理ですが、
縁取りはMPCCなりコマコレなりで補正し切れなかったコマ収差である。
これはピントを若干ずらすことによって消失するが、弊害としてスパイダーによる回折像が二重になる。
で、もしこれが正しいとすると、果たしてこのコマ収差を補正できるか、と言うのが問題になります。
可能性としては・・・
①現実は残酷である。どうあがいても絶対にこれ以上小さくならない。
1)スパイダーによる回折像が二重になるのを我慢するか、2)コマ収差を我慢する
かしかない。
②バックフォーカスを調整することによって軽減or無くすことができる。
③光軸調整なり何なり何かの方法で軽減できる。つまり、今の光軸調整、主鏡、斜鏡に問題がある。
①は勘弁して欲しいですね。2)はあまりにも見苦しいので、1)をとるしかなさそうですが
スパイダーが二重なのはすぐバレますし、あまりよろしくないのはもちろんです。
ただ、会のR200SSよりは私のR200SSの方が酷いので、減らす方法はありそうです。
②はどうなんでしょうか。MPCCはバックフォーカス55mmだそうです。
これはビクセンのコマコレと全く同じ値で、Tリング+各社カメラフランジバックと一致します。
一応手持ちのTリングの厚みは8.25mmでした。ニコンフランジバックは公称46.5mmですから、
55mmだと0.25mm短い計算になります。
しかし、屈折のレデューサーなどと違ってコマコレクターに関してはバックフォーカスは
かなりゆるいと聞いています。55mm±1mmでいいとか・・・
それに、フィルターを外した改造機でテストしてもあまり変化しませんでしたから、1mm動かしても
大して変わらなさそうですね。5mmとか思い切り動かしたらよくなるのでしょうか。
③は見当もつきません。うーん・・・
R200SS+MPCCに関して同じ症状は聞いたことがないですし、スパイダーが二重になっている作例は
見たことがないです。
ただ、昔天ガに載っていたR200SSのインプレ記事で、純正コマコレ1使用での
スポットダイアグラムを見たことがあるのですが、コマ収差が残っていたような気がします。
でもこんな感じになるのかなぁ・・・
まあ何はともあれ、私にはお手上げです。
テストできることはいろいろやりました。もうなんだかんだ5回はテスト撮影しています。
それでも毎回同じ結果でした。
どうすればいいのか、皆様のアドバイスを頂きたいと思います。
重大な見落としがあるかもしれません。よろしくお願いいたします。
「私の手には負えない」ということがはっきりしたので、記事にしたいと思います。
きっかけはR200SSシステム変更からでした。
システムはとりあえず置いておいて、まずはこの写真をご覧ください。
R200SS、MPCC使用、D40改(UIBAR-Ⅲ FF)、ノートリミング
MPCCを使用しているのですが、どうも星像がおかしいです。
星の周囲に縁取りのような謎のものが出来ています。
中心部拡大です。
もちろん光軸調整をした後です。100%とはいえませんが、80~90%くらいには
なっているはずです。
状況をより詳しく判断するために、NくんからKissX3をお借りして、ライブビューで1等星(アルタイル)を見てみるとこんな感じでした。
a)の状態では中心に丸い部分があり、周囲はトゲトゲが見えています。
この状態で撮影すると上の写真のようにスパイダーは1本になりますが、縁取りが出来ます。
b)の状態が一番星像が小さくなった状態です(トゲトゲ部分を星とした場合)。
星はほぼ真円に見え、スパイダーによる回折像がうっすら二重に見えます。
b)の状態だと以下の写真のようになります。
星は若干甘いものの、縁取りは消失します。
しかしライブビューから予想されるように、スパイダーによる回折像は二重に見えます。
まとめると、
ⅰ)スパイダー基準でピントを合わせると、星の周りに縁取りが出来る。
ⅱ)星像を最小にすると、縁取りは消失するが、像が若干甘くなるとともにスパイダーによる回折像が二重になる。
この現象の原因は、次の4つのうちのどれかです。
①カメラ(D40)が悪い
②フィルター(UIBAR-Ⅲ)が悪い
③コマコレ(MPCC)が悪い
④R200SSが悪い
幸いにもうちのサークルには他社のカメラ、コマコレも4種類ありますし、R200SSはもう一台あります。
検証にはもってこいです。
まず、①の可能性を消すためにカメラをKissX3ノーマル機にしました。
結果は全く同じでした。よって①の可能性は排除できます。
②の可能性も排除できましたが、一応FFフィルターを外してみました。
結果はもちろん同じ。①、②の可能性は無くなりました。
次は③、ビクセン純正コマコレ1に変えてみました。
症状は同じです。
コマコレ2でもKissX3で後日確認してみましたが・・・
もちろん同じ。
で、コマコレを外してみました。
周辺はともかく、中心は無収差になるはずです。
視野中心部です。微妙に光軸がずれていますが、いい感じです。
一応周辺像も載せておきます。ほぼ「理想的な」=「光軸が合った状態での」コマ収差だと思います。
今回は「スパイダーが一重になったとき」=「星像が一番小さくなったとき」
でした。
となると、原因はMPCC??
④については、いろいろ原因が考えられますね。
まずはこちらをご覧ください。
光軸修正後、星の撮影前の状態です。
タカハシセンタリングチューブ/センタリングアイピースを使用しています。
悪くないと思うのですが・・・
もちろん100点ではないにせよ、90点くらいはあげられると思います。
それでここまで星像が悪化するとは思えません。
とはいえ私のR200SSのみおかしい可能性もありますので、会のR200SSを使って撮影してみました。
まずはMPCC。
続いてコマコレ2。
傾向は同じですが、若干縁取りは小さいですね。
私のR200SSについては、斜鏡は洗浄しましたが、それ以外は特に何もしていません。
R200SSの場合、斜鏡セルというか金具??に斜鏡が貼り付けられているので、おかしくは
ならないはずです。
一応センターマークも打ち直してやり直してみましたが、特に変化はなかったです。
完璧ではないにせよ、正しい位置(回転・前後位置)にあるはずです。
主鏡はかなりいじりました。
洗浄をしつつ、主鏡押さえの爪を削り、爪隠しをつけています。
主鏡はシックネスゲージを使い、セルの中心に来るように入れました。
R200SSの場合は上部3箇所に爪押さえが、横からも固定用の金具?が6箇所ありますが、
どれも強くネジを回したりはしていないはずです。
程度は違うのですが、会のR200SSでも見られたわけですから、そもそもこれで正しいのかもしれません。
以上の情報を総合して、私なりの推理ですが、
縁取りはMPCCなりコマコレなりで補正し切れなかったコマ収差である。
これはピントを若干ずらすことによって消失するが、弊害としてスパイダーによる回折像が二重になる。
で、もしこれが正しいとすると、果たしてこのコマ収差を補正できるか、と言うのが問題になります。
可能性としては・・・
①現実は残酷である。どうあがいても絶対にこれ以上小さくならない。
1)スパイダーによる回折像が二重になるのを我慢するか、2)コマ収差を我慢する
かしかない。
②バックフォーカスを調整することによって軽減or無くすことができる。
③光軸調整なり何なり何かの方法で軽減できる。つまり、今の光軸調整、主鏡、斜鏡に問題がある。
①は勘弁して欲しいですね。2)はあまりにも見苦しいので、1)をとるしかなさそうですが
スパイダーが二重なのはすぐバレますし、あまりよろしくないのはもちろんです。
ただ、会のR200SSよりは私のR200SSの方が酷いので、減らす方法はありそうです。
②はどうなんでしょうか。MPCCはバックフォーカス55mmだそうです。
これはビクセンのコマコレと全く同じ値で、Tリング+各社カメラフランジバックと一致します。
一応手持ちのTリングの厚みは8.25mmでした。ニコンフランジバックは公称46.5mmですから、
55mmだと0.25mm短い計算になります。
しかし、屈折のレデューサーなどと違ってコマコレクターに関してはバックフォーカスは
かなりゆるいと聞いています。55mm±1mmでいいとか・・・
それに、フィルターを外した改造機でテストしてもあまり変化しませんでしたから、1mm動かしても
大して変わらなさそうですね。5mmとか思い切り動かしたらよくなるのでしょうか。
③は見当もつきません。うーん・・・
R200SS+MPCCに関して同じ症状は聞いたことがないですし、スパイダーが二重になっている作例は
見たことがないです。
ただ、昔天ガに載っていたR200SSのインプレ記事で、純正コマコレ1使用での
スポットダイアグラムを見たことがあるのですが、コマ収差が残っていたような気がします。
でもこんな感じになるのかなぁ・・・
まあ何はともあれ、私にはお手上げです。
テストできることはいろいろやりました。もうなんだかんだ5回はテスト撮影しています。
それでも毎回同じ結果でした。
どうすればいいのか、皆様のアドバイスを頂きたいと思います。
重大な見落としがあるかもしれません。よろしくお願いいたします。
MCPPは外見は昔セレストロンで売っていた等倍コマコレクターとそっくりですね。当然セレストロンのは銀塩用ですが、デジタルでも使えるかどうかは分かりません。
MCPPは本当にセレストロンのと同じで、実はデジタルには対応出来ていないとかは無いでしょうね。
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