今回の遠征では、71FL+7870のテストともに、71FL+7866のテストも比較で行いました。

まずは、テスト環境についてお伝えしています。

追尾:SXW赤道儀
オートガイド:笠井トレーディングGuideFinder60+1004XA改+PHD Guiding 1.12
カメラ:Nikon D40(赤外カットフィルター除去)
フィルター:IDAS UIBAR-Ⅲ FF
設定:ISO1600、NR OFF、WBは白熱電球に固定


本来はこういったテストは非改造機でやるべきだったんですが、一応作品化を目指していたので改造機での撮影となっています。ご容赦ください。

まずは元画像から。JPEG撮って出し、リサイズもしていません。露出は両方とも5分です。

71FL+7870

96f2cdc8.jpg


71FL+7866

676e4944.jpg


続いて、中央部+四隅300px×300px切り出しです。

71FL+7870

d928823c.jpg



71FL+7866

4bdc8000.jpg



一応お断りしておきますが、7866はレデューサー上での焦点距離設定ネジが動いており、四隅が若干流れているのはそのせいです。

さらに、RAW画像(NEFファイル)をカラーバランスを合わせた上でCamera Raw6で現像し、Labモードに変換したものです。上が7870、下が7866です。

9a8df66a.jpg


おまけに、71FL+7870でISO1600、8分間撮影したオリオン大星雲上部(Running Man)の600px×600px切り出しも載せておきます。上がLab、下がRGBモードです。下のRGBモードの方が分かりやすいかな??

0d4ad27f.jpg


bc7c0c1f.jpg


思いっきりBチャンネルで星像が肥大していますね・・・


以上の画像より、以下のことが分かります。

1.7870の方がLチャンネルはシャープ。
2.7870では四隅まで星像の崩れがない。
3.7870の方が周辺減光は少ない。
4.7866では四隅で若干の像の崩れがあるが、バックフォーカス量の調整等で補正できると思われる。
5.7870の方が圧倒的に青ハロが多い。


Lに関しては猛烈にシャープなんですよね。7866のピンボケを疑ってみましたが、Lを見るにそんなことはなさそうです。普段もこの程度でした。

周辺像に関してはちゃんと補正すれば大差ないと思います。周辺減光は明らかに7870の方が少ないです。これはFFフィルターが入っているためケラレがあるとはいえ、フルサイズ対応を謳う以上当然ですね。

青ハロが酷いことは一目瞭然だと思います。
非改造機でのテストをしていないとはいえ、これ以上改善する気はしません。むしろ悪化しそうです。


青ハロに関してですが、71FL+7866の画像を見ていただけると分かる通り、7870が原因なのは明らかです。
71FL直焦点、1.4xテレコンバーターDG【7214】、35mmマルチフラットナー1.04x【7784】、レデューサーDGx0.85【7885】、35mmマルチレデューサー0.78x【7783】、レデューサーx0.78DGT【7878】、レデューサーDGTx0.66【7866】、マルチレデューサーx0.7DGT【7870】となんと8種類もの組み合わせを試しましたが、7870以外では青ハロは全くといっていいほど出ませんでした。

そもそもなぜ高価なフローライトを使うのか、といったら色収差が少ないからのはず。
それをレデューサーで台無しにするのは本末転倒ですよね。理解に苦しみます。
しかもピンポイントで7870だけ・・・


さて、この青ハロ、消せるのでしょうか。
もちろん処理で目立たなくすることは簡単です。でも、それは青ハロが白ハロになるだけです。
Bチャンネルにのみ明るさの最小値orスターシャープと言う方法で削り落とすこともできますが、
画像処理ではなく、そもそも発生しないようにするには

レデューサー前面にL41を入れる

位しか思いつきません。

実は今日電灯でテストしたのですが、よく分かりませんでした。
やはりちゃんと実際の星でテストしたいです。


もしそれでも変化しなかった場合は、うーん・・・
元々7866は放出予定でしたので、両方維持するつもりはありません。
そうなると、やはり買ったばかりではありますが、7870を放出、ってことになります。

人によって感じ方は違いますが、私には許容できないレベルなんですよね・・・。
アクロマートならともかく、全く色収差の出ないフローライト71FLで青ハロの処理をするのは
我慢がなりません。どんなにLがシャープでも意味の無いことです。


それと、手元に7866があるのも大きいですね。7866の周辺減光はRAP2の進化したベイヤーマージが
何とかしてくれそうです。それ以外は特に欠点がありません。F値も少し明るくなりますし。
まあBORGから71FL用の補正レンズがこれ以上出る可能性はなさそうですから、7866とやっていくことになりそうですね。もちろん、仮に新型レンズが出たとしても天体の作例が出るまでは絶対に買いませんが。


一応、M31とM42は7870で撮影してきましたので、この後処理してみます。