Shooting Stars - 北海道の星空の元で

天体写真を中心としたブログです。

2024年を振り返って

早いものでもう年末。
1日早いですが、今のうちに2024年を振り返ってみようかなと思います。

1)紫金山アトラス彗星
やっぱり今年はこれですかね。崩壊する恐れがあるとか、地球接近前から冷や冷やしました。
近日点前は北海道は観測条件が最悪で高度が低すぎて、ぜんぜん歯が立ちませんでした。
その間に南半球や本州からの素晴らしい写真がアップされて、苦々しい思いをしていました。

10/12からはようやく北海道でもそれなりの条件になりました。
各地の報告やカムイミンダラさんの写真から、この時点では「シミ」くらいの状況。
不安は募りましたが、それでも10/13には優美な尾をたなびかせた大彗星に成長していました。

その時の記事がこちら。



以降も何度か遠征を。






ま、一応撮影は4回出来たので良かったものの、10/13以外はずっと雲に追われっぱなしでした。
10/13も不安定な天気で、予定していた観測場所には行けず…

月明りはもちろん邪魔でしたし、すんなり撮影できなくてフラストレーションがたまる撮影でしたね。もうちょっと気の利いたときに来てくれよとは思いましたが、こんなもんでしょうかね。

紫金山アトラス彗星は大彗星か?という議論はあるみたいですが、私的には文句なく大彗星です。ちゃんと肉眼で尾も見えましたし、ネオワイズほどではないですが双眼鏡でも楽しめました。

次はしばらく条件の良い明るい彗星は来ないみたいですが、いきなり来ることもありますしそれに期待しましょう。


2)オーロラ
こちらも3回撮影できました。一番はやっぱりオーロラとペルセウス座流星群でしょうかね。

5/11-12





8/12-13





10/11



冬になってこれからオーロラの活動も活発になり、夜も長くなって撮影しやすくなるかなと思いましたがそんなこともなく。太陽は静かな状態が続いています。

2‐3か月おきにオーロラが見られていることを鑑みるに、来月あたりがチャンスですかねぇ。


3)土星限界線




思っていたよりも土星が隠されなかったのですが、限界線には近くなったので良かったかなと。
シーイングが悪すぎてどうしようもなかったのと、撮影自体はあまり上手くいかなかったのは心残りではあります。



通常の遠征に行く機会は少なかったものの、天文現象的には十分楽しめた1年でした。
来年は皆既月食くらいしかありませんが、オーロラにも引き続き期待したいですね。

それでは皆様、よいお年をお迎えください。

土星限界線つづき

前回の記事で土星限界線の動画をアップしましたが、動画を静止画に変換し、連続画像にしてみました。
コンタクトシート-001


撮影時刻:18:41:37~
鏡筒:Vixen VC200L(直焦点、1800mmF9.0)
カメラ:ASI533MC Pro
露光:125ms
ゲイン:100
全画素読み出しでSERで保存、静止画に変換、一部をスタック、トリミング

ASI533MC Proは3008 x 3008 で900万画素あります。
USB3.0でパソコンへ転送するのですが、全画素を転送すると3FPSくらいしか出ません。

惑星の撮影の時はクロップしていて、大体20FPSくらいで撮影することが多いです。
今回は動画撮影中は赤道儀を動かしたくなかったのと、撮影時間も長時間だったこともあり、土星がフレームアウトするのが怖すぎて全画素読み出しにしました。

そのせいで当然ですがフレームレートが稼げなかったので、あまり意味があるかはわかりませんが、10秒分くらいの30フレームから上位50%をAstroStakkert!4でスタックし、AstroSurface3でシャープ処理をかけています。

70フレームはスキップし、30フレームスタック、70フレームスキップ、…と繰り返して28枚の連続画像を作成しています。時間が中途半端なのと、スタックした時間が10秒と長いこともあり、タイムスタンプは入れていません。

この画像だとわかりにくいですが、完全に土星が消えてしまったように見える露光中央付近の画像でも一応土星の環っかが見えています。

予想よりは土星が隠される量が多かったですが、多少なりとも土星限界線の雰囲気は出たかなぁと思っています。

なお、Zfc+71FLでも連続撮影していたものの、ピンボケで全部没でした、、、


今年の撮影はこれで終了ですかねぇ。
ま、年末に遠征してもいいんですけれど、最近は寒くて中々遠征する勇気が出ないです。

土星食観測できました

12/8の土星食ですが、前の記事での宣言通り襟裳まで行ってきました
天候は何ら問題なく快晴でしたし、心配していた風も風裏の場所を選んだこともあり、土星食の間はほぼ無風の条件で撮影はできました。

ただ、シーイングがどうしようもなく悪かったです。
コンパクトエクステンダーメタルでもう少し拡大しようかと思ったのですが、付けたらピント位置もわからないぐらい悲惨なシーイングだったので止めました。

また、土星限界線になるはずでしたが、どうも土星本体が隠されているように見えました
限界線となるのは間違いないはずですが、平均月縁から計算した値のため、ちょっとずれたのかもしれません。

とりあえず動画はこちら。
VC200L直焦点、ASI533MC Proで撮影した動画から一部を切り出しています。
約10倍速の動画です。




とりあえず静止画に分解し、何枚かコンポジットしてウェーブレット変換を掛け、多少はましにならないか試しているところです。
まあこんなもんかもしれませんが…
ギャラリー
  • 土星限界線つづき
  • 土星食観測できました
  • 藤井旭の天文年鑑2025年版と星ナビ1月号に掲載
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  • 10/24の紫金山アトラス彗星(最終)
  • 10/24の紫金山アトラス彗星(最終)
  • 10/20の紫金山アトラス彗星
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