Shooting Stars - 北海道の星空の元で

天体写真を中心としたブログです。

夕張遠征

先週の火曜日に夕張に遠征してきました。

火曜日(9/3)の日中は申し分のない青空。
こんなに透明度の良い空は久々です。何なら今年一番だったかもしれません。

SCWも当然真っ黒な予報
ド平日ですが、今回は直焦点なのでセッティングさえ終われば後は放置でOKです。

雲は問題なさそうですが、霧が発生しそうな雰囲気。
以前遠征したシューパロダムの隣はちょっと厳しそうです。


そこで、以前から目をつけていた丁未風致公園の駐車場に行くことにしました。


20年ほど前、まだ夕張が財政破綻していなかった頃に一度行ったような記憶があります。
その時はそこまで空が暗いイメージはなかったですね。

その頃はキャンプ場もあって、広い草原が広がっていたと思います。
今はほとんどのエリアが閉鎖されているようですが、Google mapによるとそれなりの広さの駐車場があるようです。

標高は700m近くあり、川からも離れているので霧は大丈夫でしょう。


家を出発したのは19時くらい、道央道を岩見沢方向へ向かいます。
ところが、江別西ICの手前で致命的な忘れ物に気づきました。

ガイドカメラ持ってきてねぇorz

筒をVC200Lしか持ってきておらず、流石にノータッチは無理があります。
最近ガイド撮影してなかったからなぁ…

江別西ICは考えている間に通り過ぎてしまったので、江別東ICを出て、引き返して家へ。
現地で気づかなくてよかったと思うことにします。

大幅にタイムロスしましたが、21時20分に現地着。
当然無人、駐車場はそこそこ広いですが木が邪魔になります。

今回はアイリス星雲を撮りたかったので、位置を確認し、気が邪魔にならないような場所に陣取ります。
空はまあまあといったところですね。西側は予想通り明るいです。
南はまずまず、視界は狭いですが…
東から北は申し分なし。


あまりにクマが怖いのと、近くに民家はないはずですのでラジオを流します。
街灯も一切なく真っ暗で、車通りも皆無なため、ラジオの音だけでも少し安心しますね。
(撤収までに通った車は1台でした)

展開は問題なく、導入にはかなりてこずりましたが、オートガイド開始まではまずまず順調。
意外と雲が多いですが、まあ到着も遅かったので問題なし。

DSC_0068-強化-NR

ところが、勝手にオートガイドが終了してしまいます。

これは以前もSS-One AutoGuider Proであった現象なのですが、どうもタッチパネルの端のほうが圧迫により誤動作しているようです。
この時点では原因を思い出していなかったので、ずっとタッチパネルを指で押したり、何とかポインタが一か所にとどまるように四苦八苦していました。

1時間くらい格闘し、半ばあきらめていましたが、アイピースをタッチパネルの上に置いておくと何とかなりそうということがわかりました。

あまりに疲れていたので、だめならまあいいやと思いそのまま放置。
車に入ってしばらく仮眠、というか思い切り寝ていました。

起きたら2時半、ダメもとでしたがそれなりに撮影できているようです。
とはいえ誤動作しているようでしたので、撮影は中断しフラットを撮影。

3時半くらいに撤収完了、帰りは下道で帰りました。
夕張市内までは大量のシカが居てうんざりしましたが、車を見ると一応逃げるようでしたね。

で、ヤンマーで〆
北海道限定の特製旨塩まぜそば。朝から食べるものではない気がしますが、味は良かったですね。
DSC_0069


画像処理もサクッとやりました。
Mean2

撮影地:夕張市丁未風致公園
鏡筒:Vixen VC200L
補正レンズ:Vixen レデューサーHD(1386mm F6.9)
赤道儀:Vixen SXW赤道儀(SS-One AutoGuider Pro改造)
カメラ:Nikon Z6II(HKIR改造)
露光:5分×32(総露出時間160分)
ISO:6400
画像処理:DNG ConverterでDNG変換
RStackerでフラット補正
CameraRawでRaw現像
CCDStack(ISP)でAlign、コンポジット
StellaImage6.5でデジタル現像
StarNet2で星消し
Photoshopで最終調整

やっぱり格好いい星雲ですねぇ。
もうちょっと拡大したいんですが、流石にVC200L直焦点では厳しいでしょうし…
ま、また狙ってみたいですね

オーロラ&ペルセウス座流星群遠征詳細

8月上旬から、8/12-13の夜のペルセウス座流星群に向けて準備を進めていました。
後輩のsakuma君からも遠征予定という連絡をもらっていたこともあり、まあ天候がある程度なら遠征しようと思っていました。

台風が来ていたこともあり、とにかく天候が安定しません。
8/11の時点では8/12の予報は絶望的な予報
微妙に8/11に行くのもありかな、と思いましたが、さすがに持たないだろうなぁと思いパス。

8/12は少し早めに起床。
sakuma君から、8/11は初山別にいて、多少雲の通過もありながら天気が良かったとのこと。
正直ちょっとしまったなぁと思いましたが、後悔しても仕方ない。

この時点での予報はこんな感じ。
スクリーンショット 2024-08-12 095518

SCWの局地18では、美瑛のへんが晴れそうな予報。
あとはサロマ湖周辺でしょうか。

WindyのECMWFはこんな感じ。
スクリーンショット 2024-08-12 095709

一応道北はまずまずですが、曇ってくる予報。
ベストはオホーツクですが、雄武~湧別くらいまでは霧予報


うーん、美瑛は近くていいのですが、きわめて怪しい。
とはいえサロマまでは300kmはあります

sakuma君とも電話してみますが、その時点では結論が出ず。
しばらく悩みつつ、昼食を。

その頃の予報はこんな感じ。
スクリーンショット 2024-08-12 122740

流石にこれでは美瑛の選択肢はないですね。
道北という選択肢もないでしょう。

覚悟を決めて、sakuma君にサロマへ行くと連絡を
彼もほどなくサロマへ向かうとのこと。

この時点でのオーロラ予報はこちら。
スクリーンショット 2024-08-12 122641

まあ、まだ13時ですから、夕暮れ時にはちったあ見られるかなぁと予想。
13時半に気合を入れて出発。一応途中で天候を確認、道北の選択肢も残しておきました。


途中茶志内PAで天気を確認、サロマ以外無さそうなことを確認。
上川大雪PAでも確認、特に変化なし、旭川紋別道へ進みます


集合場所の上湧別の道の駅に着いたのが17時半くらい。
sakuma君は来ていませんでしたが、まずは腹が減っては戦はできぬということで道の駅の食堂で腹ごしらえ。
DSC_0796

少し時間が早かったこともあってか、この時点では空いていましたね。


18時過ぎにsakuma君と合流
とりあえず目をつけていたサロマ湖のキムネアップ岬のキャンプ場の駐車場を目指します。



結構広い駐車場なので、キャンプ場側は混んでいても、反対側は空いていると予想していたのですが。。。

予想に反して激混みで、特にキャンピングカーの方が多い感じでした。

流石にこれだと撮影は厳しそうだなぁ、ということで、手前にもう一か所あった駐車場へ。


街灯があるものの、トイレが閉鎖されていたこともあり誰もおらず。
この時点ではオーロラはおまけであり、ペルセウス座流星群は駐車場で、
オーロラはさっと隣の道沿いで撮影すればいいやと思っていました。
よって、ここを観測地と決定。


ペルセウス座流星群は輻射点高度を考えると22-23時くらいから撮影好機なので、
まずはオーロラを狙ってみます。


NOAAのAurora OVATIONの予報モデルでも、普通に見えそうな予報。
薄明中ではあったものの、何枚か撮影しているうちにあっさり写りました


19:59(薄明終了前)
_DSC7637_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@14㎜F4
ISO3200, 20秒

まだ薄明が残ってはいるものの、オーロラらしき光が写っています
妻の非改造機では写っていないようで、どうも改造機ならではだったようですね。

なお、色の変化を楽しんでもらうため、以降の写真はホワイトバランスはすべて撮影時のまま固定しています。



一応オーロラが写りそうなのと、ディフューザーがあったほうがいいかなと思いレンズを交換



20:25(薄明終了直前)
_DSC7657_DxO
Z6II改+FTZ(ノーフィルター)+タムロン15-30㎜F2.8@15㎜F2.8+Lee Soft 2
ISO4000, 10秒

これなら文句なしでしょう。
非改造機でも少しずつ写り始めました
オーロラの撮影に成功し、まずは一安心といったところ。


21:08(1回目のピーク開始)
_DSC7678_DxO
Z6II改+FTZ(ノーフィルター)+タムロン15-30㎜F2.8@15㎜F2.8+Lee Soft 2
ISO5000, 10秒

なんかあまり変わり映えしないねぇと話していたくらいだったかと。
この時点では特に何もないのですが…


21:11(3分後、次のカット)
_DSC7679_DxO
Z6II改+FTZ(ノーフィルター)+タムロン15-30㎜F2.8@15㎜F2.8+Lee Soft 2
ISO5000, 10秒

わずか3分後なのですが、いきなり縦筋が!!!!
これ以降、どんどんオーロラが明るさを増してきます。


21:15(1回目のピーク)
_DSC7688_DxO
Z6II改+FTZ(ノーフィルター)+タムロン15-30㎜F2.8@30㎜F2.8+Lee Soft 2
ISO5000, 13秒

少し望遠気味で。はっきりと縦筋が見えて大興奮。



21:19(1回目のピーク)
_DSC7692_DxO
Z6II改+FTZ(ノーフィルター)+タムロン15-30㎜F2.8@15㎜F2.8+Lee Soft 2
ISO5000, 13秒

広角気味に戻しても、広範囲にはっきりとオーロラが見えています。



21:32(1回目のピークの終わりかけ)
_DSC7711_DxO
Z6II改+FTZ(ノーフィルター)+タムロン15-30㎜F2.8@15㎜F2.8+Lee Soft 2
ISO4000, 13秒

一応縦筋は写らなくはないのですが、穏やかになったのがこのくらい。
この時点で、正直オーロラの撮影はだいぶ満足していました。

そろそろペルセウス座流星群の撮影の準備でもするかなぁと、Star Adventurerを準備したりしていました。

とはいえ撮影しないのはもったいないので、レンズをディフューザーなしのZ14-30mmに変更してひたすら連写していました。



22:10(オーロラの活動が低下していたころ)
_DSC7823_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@14㎜F4
ISO6400, 15秒

一応流星が写っていますね。
まあ、これで終わりかなぁと思っていたころです。
このあたりからZfcでペルセウス座流星群の撮影を開始しています。

で、ここから1時間以上全く変化なし
一応オーロラも見えていますが、明るくなることはありません。



23:45(2回目のピーク開始)
_DSC8145_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@14㎜F4
ISO6400, 15秒

変化があったのは23:45くらい。
この時点では気づいておらず、車の近くにいました。


23:50(2回目ピーク、流星)
_DSC8161_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@14㎜F4
ISO6400, 15秒

ペルセウス座流星群の流星が飛び込んできました。
サロマ湖にいた方は同じ流星を撮影されていたかと。



23:50(次のカット)
_DSC8162_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@14㎜F4
ISO6400, 15秒

2枚連続で流星が!
この流星はオーロラに近いこともあり、多くの方が撮影されていたようです。


で、この辺で明らかに空の状態がおかしいことに気づき、撮影画像を見てびっくり
ペルセの撮影をしていたsakuma君を呼び戻します。



23:56(2回目ピーク)
_DSC8178_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@30㎜F4
ISO6400, 15秒

色はわかりませんが、縦の筋は肉眼でもはっきりわかりましたね。
ゆらゆらと激しく筋が動いていました。



23:59(2回目ピーク)
_DSC8186_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@14㎜F4
ISO6400, 15秒

広角14㎜フルサイズでもご覧の通り。2回目ピークが最も活発でしたね。



0:08(2回目ピーク後半)
_DSC8209_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@30㎜F4
ISO6400, 15秒

北斗七星が焼かれています。色も少し紫色が強くなってきたようです。



0:32(2回目ピークの終わり)
_DSC8302_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@14㎜F4
ISO6400, 15秒


この時点でもかろうじて縦筋は見えています。
肉眼ではほぼわからなかったです。

今度こそもう終わりだろう、とは思ったものの、レンズヒーターを追加しつつひたすら撮影
1時間くらいは特に変化がなかったのですが…



01:31(3回目ピークの始まり)
_DSC8500_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@14㎜F4
ISO6400, 15秒

多少雲が出てしまっていますが、また縦筋が見えるようになってきました。



01:39(3回目ピーク)
_DSC8523_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@30㎜F4
ISO6400, 15秒

色がより紫色に寄ってきました。
2回目ピークほどの明るさはありませんが、縦筋がしっかり見えています。

ところが、これ以上は明るくなることはなく。
そのまま撮影を続行します。



02:41(薄明開始後)
_DSC8730_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@15㎜F4
ISO6400, 15秒

前回の低緯度オーロラと同じように、今度は紫~ピンクが強くなっていました。
一応縦筋も見えているので、これが4回目のピークかもしれません。



02:52(薄明開始後、最終カット)
_DSC8755_DxO
Z6II改+Z14-30㎜F4@15㎜F4
ISO6400, 15秒

視野全体に広がるのは低緯度オーロラと思われますが、薄明の影響もあるでしょうか。
まだ縦筋も見えていますね。



十分、いや十二分に堪能したので、大満足で撤収
流石に疲労困憊で、運転して帰るのは不可能ですから、近くのサロマの道の駅へ。

仮眠、というか睡眠したら8時半に。
9時の道の駅営業開始から朝食、そのあと湧別の道の駅へ行って温泉。
調子に乗ってサウナに入ったら「ととのって」しまい、しばし睡眠。

昼食をとってから出発、途中白滝の道の駅でさらに仮眠。
結局札幌に帰ってきたのは18時を過ぎていました。

最後は大谷地ヤンマーで〆
DSC_9631

この旅を締めくくるにふさわしい一杯。
なお、帰ってからおなかの調子が悪かったのですが、気のせいでしょう…



思いがけずオーロラ三昧になってしまいましたね。
流石に私が生きている間にはペルセウス座流星群と低緯度オーロラが同時に見られることはないでしょう。はるばるサロマまで遠征して大正解でした。

あるとすればふたご座流星群ですが、今年は満月と条件最悪。
来年はまずまずの条件ですから、それに期待ですかねぇ。

オーロラと流星が写ったカットは実は40カットくらいあります。
追尾していないので大変ではあるのですが、1枚にまとめられないか、じっくりやってみようと思います。

低緯度オーロラの撮影とペルセウス座流星群の撮影に成功しました

12日の晩はペルセウス座流星群狙いでサロマ湖へ行っていました。
ご存じの方も多いと思いますが、ちょうど低緯度オーロラも出現。
天候にも恵まれ、両方存分に楽しめました。

低緯度オーロラ
_DSC8184-強化-NR


ペルセウス座流星群

peruse2024


とりあえずペルセウス座流星群だけは画像処理しましたが、オーロラはほぼ手付かず。
明日以降じっくり確認しようと思います。


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