Shooting Stars - 北海道の星空の元で

天体写真を中心としたブログです。

2008年11月

惨敗

今日は天気もよさそうでしたので、久々に平取町まで遠征してきました。

平取町は札幌から3時間ほどの場所ですが、晴れればすばらしい星空が広がります。
3時間で行ける場所では一番の星空だと思います。

今回の遠征ではR200SSですばるのちゃんとした写真を撮ることを目的としました。
いつものようにサークル会館で荷物を積み、出発したのは3時前。
6時にはポイントに到着しました。

外は南側に雲があるもののほぼ快晴。
夏の大三角が西に傾き、代わりに東から冬の星座たちが顔を出していました。

さて、まずは200SSを外に出して外気に慣らさないと・・・
と思ってトランクを開けると、

あれ?まさか・・・







ない!






鏡筒を忘れました。

赤道儀も三脚もカメラもバッテリーもPCもあるのに。

あまりに自分が馬鹿すぎてしばらく放心状態でした。
今までにクロスLANケーブルを忘れてガイドができなかったことはありましたが、
鏡筒を忘れるって、どうかしてますね。

一応カメラ用三脚2台とスカイメモ、デジタル&フィルムカメラはありましたので、
じゃあ普通に星景写真や星野写真でも撮るか、と思って外に出ると、

曇ってるよorz

仕方ないので少し動いてみましたが、晴れる気配はまったくなし。
もうどうしようもないので帰ってきました。

札幌に帰ってくると、腹が立つほどに快晴。
でもこれで出かけて曇るとあまりに惨めですし、何より心が折れたので
おとなしく帰宅しました。

ここまで最低なのは久々です。
日ごろの行いですかね。

来月頭にリベンジします。

寒い~

今日は北海道の北部、下川町で-20℃を切ったとか。
11月に-20℃って、1月や2月にどこまで下がることやら・・・

札幌も-5℃くらいまで下がったみたいです。
最近は寒い日が続いていて、完全に冬になりました。

そろそろ新月ですが、週末は札幌にいないので
明日あたり星を見にいけたらいいな、と思っています。

天気はなんとも言えません。晴れるといいのですが・・・。


10/21 滝川限界線

掩蔽・限界線と言う言葉をご存知でしょうか?
あまり聴きなれない言葉だと思います。

でも、日食なら聞いたことがあると思います。
見たことがある方も多いのではないでしょうか。

日食は、月が太陽を隠す現象です。
太陽は一つしかありませんが、夜空にはたくさんの星があります。
それらの星も同じように、月に隠されます。これを星食と呼びます。

また、月でなくても、たとえば小惑星が星を隠すなんてこともあります。
これは小惑星掩蔽と呼ばれています。

これらを下に少しまとめてみました。

5ad7554e.png



これら以外にも、惑星が太陽を隠す日面通過や、惑星が衛星を隠す惑星による掩蔽などがあります。

また、月に星が隠される掩蔽ですが、星が月のふちぎりぎりをかすめていく現象もあります。
これは限界線(接食ともいいます)と呼んで区別しています。

月にはクレーターがたくさんありますが、これによって表面がでこぼこしています。
となると、月表面の地形によっては、星が見え隠れします。

下の図を見てください。

f4cdc68e.png



隠される星(対象星といいます)が左から右へと動くとすると、月の縁がでこぼこしているので、
この図のような場合は、2回隠されて、2回出てくることになります。

観測する際は、月の暗い側ですので(明るい側だと明るすぎて、対象星が見えない)、
月の縁は見えません。
というか、そんなに細かい凹凸は地球上からではわかりませんので、いきなり星が視界から消えます。
そして、いきなり出てきます。

この限界線観測によって、正確な時間、位置が分かれば、地球、月、対象星の位置がわかりますので、
月の詳細な表面の地形が計算によって求めることができます。

基本的に星は「静」であり、ずっと夜空を見上げていても変化はほとんどありません。
例外の「動」の現象といえば、流れ星、オーロラ、そして掩蔽です。
この中でも限界線は、なんとも言えない独特の緊張感があり、スリリングでとてもおもしろいです。
世の中にあまり認知されていないのはなんとも残念ですね~。

具体的な観測方法は、いつ、どこで限界線が起こるかの予報に従って、限界線が起こる場所まで行き、
望遠鏡を使って観測します。ま、用は、望遠鏡と遠征する根性(休日、近場で起こるとは限らない!)
があれば誰でも観測できます。

目で見ることによっても観測できますが、最近はより正確に観測できるビデオカメラを使っています。


前置きが長くなりすぎましたが、ここからが本番です。

10月21日28時(22日04時)に滝川市で限界線がありました。観測結果はこちら。


データ

2008.10.22 04h46m~47m
望遠鏡:Vixen R200SS+2.4倍テレコンバーター
赤道儀:Vixen SX赤道儀(恒星時追尾)
カメラ:WATEC WAT-100N、ソニー製DVに記録

今回は1回対象星が隠され(04時46分13.16秒)、1回出てきました(04時46分34.24秒)。
まあこれだと通常の星食とあまり変わらないのですが・・・。

最近は天気が悪く、今月8日、そして今日も限界線があったのですが天候不良により断念。
次は12月7日になりそうです。

晴れるといいですね。

比較明合成

12日のしし群の時に、ついでに比較明で写真を撮ってみました。



データ

撮影日時:2008.11.12 01:17 30s×55
カメラ:Nikon D40(ISO400、JPEG(BASIC))
レンズ:シグマ15mmF2.8対角魚眼(絞りF2.8)
画像処理:Kikuchimagickにて比較明合成




データ

撮影日時:2008.11.12 02:51 30s×93
カメラ:Nikon D40(ISO400、JPEG(BASIC))
レンズ:シグマ15mmF2.8対角魚眼(絞りF2.8)
画像処理:Kikuchimagickにて比較明合成

新月のときは空が暗すぎて星が写りすぎてしまいますので、
満月のときはちょうどよい明るさとなります。
そして中山峠はもう雪が降っており、冬景色が広がっていました。
ホワイトバランスは太陽光で、空は青くなりましたが、寒い冬の雰囲気が出たと思います。

さらに、月が沈んでから、薄明で明るくなるまで30秒で連続で写真を撮り、
ムービーにしてみました。


データ

撮影日時:2008.11.12 04:54 30s×88
カメラ:Nikon D40(ISO1600、JPEG(BASIC))
レンズ:シグマ15mmF2.8対角魚眼(絞りF2.8)
画像処理:Photoshop CS3 Extendedでムービー(.mov)作成、SUPERでMP4に変換


CS3 Extendedではアニメーション作成をサポートしており、簡単にムービーが作成できます。

作成手順


1、「ファイル」→「スクリプト」→「ファイルをレイヤーとして読み込み」でムービー化したいファイルを全て読み込む。
2、「ファイル」→「自動処理」→「画像のフィット」で全画像のサイズを640×480くらいまで小さくする
3、「レイヤー」→「アレンジ」→「逆順」をクリックしてレイヤー順序を全て逆にする
4、「ウィンドウ」から「アニメーション」をクリックしてアニメーションパレットを表示させる
5、アニメーションパレットのメニューから、「レイヤーからフレームを作成」をクリック
6、アニメーションパレットのメニューから、「フレームアニメーションを作成」をクリック
7、アニメーションパレットに全ての画像が表示されるので、全て選択し、表示時間を設定する。0.1秒くらいが目安。0.2秒だとカクカクになる。
8、「ファイル」→「書き出し」→「ビデオをレンダリング」でムービーを書き出し。ファイル形式はQuicktimeムービーだけしか選択できない。(あらかじめQuicktimeをインストールしておくこと)

そのままだと重すぎるので、フリーソフトであるSUPERを使って変換・圧縮しました。

比較明だと途中で雲が出ると作品が台無しになりますが、ムービーだと変化があるほうがいいので、
雲があると絵になります。また、薄明や月の没など、空の明るさが変化するといい感じになりそうです。

弱点としては、今回何も考えずに縦位置で写真を撮ってしまいましたが、横位置のほうがいいでしょう。
そして、できる限り多くの写真を撮らないと一瞬で終わってしまいます。

まだまだいろいろと改良が必要ですが、面白い方法です。
満月が邪魔でどうしようもないふたご座流星群のときにでもいろいろ試してみたいです。

しし座流星群

天文ガイド11月号に、12日の05時ごろにしし群のダストにぶつかるかも、という記事が載っていました。

しし座流星群といえば2000年から2002年にかけて大出現し、2001年には日本を含む
アジアを中心とした地域で数多くの流れ星を見ることができました。

しかし、母天体であるテンペル・タットル彗星は1998年に回帰してから10年が経ち、
最近は目立った活動はありませんでした。

05時は薄明ぎりぎり、しかも満月過ぎの月があ05時までいるとなると条件は最悪。
まあ、今年はおうし座北/南群の活動が活発ということなので、しし群が空振りでも
少しは見えるのでは、と思っていつもの中山峠まで行ってきました。

で、結果はというと・・・

ぜんぜん駄目でした。

しし群はともかく、おうし群もさっぱり。
流れ星は3,4時間で5個くらい。仕方ないですね。
写真には幸運にも2つ写りました。

では1枚目の流星写真。これはおうし群のものと思われます。

撮影日時:2008.11.12 03:44 30s
カメラ:Nikon D40(ISO400、RAW)
レンズ:シグマ15mmF2.8対角魚眼(絞りF2.8)




流星部分の拡大です。




数回爆発して、明るさが変化している様子がわかります。

続いて、2枚目の流星写真。これはしし群の流星です。




撮影日時:2008.11.12 05:29 30s
カメラ:Nikon D40(ISO1600、RAW)
レンズ:シグマ15mmF2.8対角魚眼(絞りF2.8)

左上に写っているのは人工衛星です。

流星部分の拡大はこちら。




しし群は23年後の次回帰までお預けですかね~。
しかし、次回帰は条件がよくないようで、さらに次の回帰まで待たなければいけないようです。
56年後って、生きてるんでしょうか・・・

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