Shooting Stars - 北海道の星空の元で

天体写真を中心としたブログです。

2015年07月

モノクロデジカメその3 まとめ

今まで、モノクロデジイチあれこれ書いてきました。

APS-Cノーマルデジカメと比べて、解像度3倍、感度同じくらい、
変なゴースト。

冷やしてもいないですから、同センサーサイズの冷却CCDとはノイズで明らかに劣る。
えっちゃんさんもおっしゃっていましたが、フルサイズの冷却CCDとは比較するまでもありません


しかし、もし本物のモノクロデジカメがあったとしたら。。。
マイクロレンズあり、ベイヤーフィルターなし!!!
この解像度で、感度3倍!!


うーん、これっきゃないでしょう。
ライカにモノクロームがあるのは知っていますが、100万オーバーとお話になりません。
しかも、残念ながらセンサーはコダック製。
それで100万なら、冷やし買った方がよっぽど賢い選択です。


モノクロなら、是非最新のソニー製センサーか
キャノン製センサーで作ってほしいです。

ニコンからD810Aが出ましたが、次はD810Mなんて
いいと思うんだけどなぁ~

もちろん、D810Aとハイブリッドで!
いくらかかるかは知りません(笑)



ただ、いいこともあります。
ファインダーがあり、スタンドアローンで動くこと。
これは、冷却CCDにはない魅力ですよね。

また、ナローに関しては、たとえフルサイズのデジカメでも
モノクロAPS-Cには敵わないと思います。

気温が低い時期なら、冷却CCDライクに使えるかもしれません。


何とも微妙な立ち位置ですが、しばらくテストしてみようかと。
次は淡ものにチャレンジしてみます。


モノクロデジカメその2 画質比較

ごちゃごちゃ書く前に、結論を。

結論1.フルサイズの冷却CCDには遠く及ばない
 立ち位置は 
   フルサイズ冷却CCD>フルサイズデジイチ≧?
   モノクロAPS-Cデジイチ>APS-Cデジイチ

結論2.ライカを除くカメラ―メーカーさん、早くモノクロデジカメを!
 マイクロレンズを取り除いた弊害大、変な回折が出てしまう


では、いろいろな角度からAPS-Cのノーマルデジイチと比較してみましょう。

その1:解像度
 モノクロ>>>ノーマル
 定性的だが、3倍~4倍ありそう。

下の画像をご覧ください。左がJPEG撮ってだし、右がDCRawでベイヤー補間なし、16bitTiff化のちに
ハイライト位置を調整したものです。

3ed81b90.jpg


多少明るさの違いもありますし、JPEG化の弊害もあるかと思いますが、それを考慮するまでもないでしょう。
明らかに解像度が違います。

ISO100しかまともに使えなくても、シグマのカメラに根強いファンがいるのも納得ですね。。。

ちなみに、JPEG撮って出しだとこんな感じ。
7f7f49d4.jpg


変な色が付いちゃってますね。ノイズも気になります。


その2.感度
 モノクロ≒ノーマル
 多少感度が低い程度

モノクロJPEG撮ってだしと、D5100改で撮影した画像のヒストグラムを比較してみました。
筒は71FL+7872、対象はペリカンで同じです。

モノクロ


ノーマル


ヒストグラムの中央値はほぼ同じ。
標準偏差がだいぶ違いますが、これはモノクロ化の影響なのか、
それともキャノン‐ニコンの違いなのかは分からず。
正式にはX5と比較してみないとですね~。

とはいえ、感度はほぼ同程度と言えそうです。
これは、その1に書きましたが、
「カラーフィルタとマイクロレンズを両方取り除いたから」
なんですよね。

確かに、カラーフィルタを取り除くと感度が上がるはずです。
ただし、カラーフィルタの上にはマイクロレンズがあるので、
両方とも取り除かれてしまうんですよね。。。

それによって、カラーフィルタ除去による感度アップと
マイクロレンズ除去による感度低下が相殺されてしまったようです。

この辺詳しいUTOさんによると、アンプが個々の画素にあるCMOSは、
後でまとめて増幅するCCDよりも不利になるとのことでした。

CCDの場合、重要なのは後々の増幅処理で、各カメラメーカーは
そこで頑張っていたようです。

ところが、CMOSは各画素にアンプがあるので、後々の処理では
できることが少ないそうです。
そこで、マイクロレンズの集光が重要になるわけで。

よって、マイクロレンズを除くと、CMOSのほうが感度に対する影響が大きいとのことでした。

以上を踏まえると、思ったよりもモノクロデジイチは健闘していますね。
このくらいなら問題なく使えると思います。


その3:ゴースト
 モノクロデジイチには変なゴーストが出る

既にお気づきかと思いますが、輝星にゴーストが出ます。
4adb740e.jpg


これは、カラーフィルタを除いたことにより、センサー表面がテッカテカに
なってしまったせいと考えられます。

この反射はすさまじく、取り除くためとUV-IRカットのために
クリップフィルターを入れていますが、それでもダメでしたね。

調べてみると、この星の明るさは3.72等。
画面内の5等前後の星では気になりませんでしたので、
位置による依存性もあるかもしれませんが4等以上の
星が無い対象でないとダメみたいですね。

または、光度を下げるためにHαなりOⅢなり、
ナローを使うか。
こちらが本線でしょうか。


次回記事で、もろもろまとめてみたいと思います。

モノクロデジカメその1 はじめに

1.きっかけ
えっちゃんさんのブログ記事で初めて知りました。

わたしもやろうかな、と思っていたのですが、中々重い腰が上がらず。。。
えっちゃんさんのテスト結果が芳しくなかったみたいですので、あまり乗り気ではなかったです。

ところが、CANPでお会いした近江商人さんがEOS 600D(日本でいうところのKissX5)のモノクロ化したものをお持ちとのこと。

ご存知の方も多いかと思いますが、近江商人さんは大けがをされてしまい
遠征に行けない状況です。
そこで、テストをさせていただけるとのことで、我が家まで送っていただきました。

2.モノクロデジカメとは??
皆様ご存知の通り、デジカメのセンサーにはマイクロレンズとカラーフィルタが配置されています。
これによってカラー画像が得られるわけですが、カラー画像生成の際に
ベイヤー補間され、解像度が失われます。
また、カラーフィルタによって透過光量も減っているはずです。

そこで、マイクロレンズごとカラーフィルタを取っ払ってしまったのが
モノクロ改造デジイチです。
何故か日本では普及していませんが、海外では結構メジャーみたいですね。

3.カラーフィルタの除去法
カラーフィルタの除去法は大きく分けて2つあります。
一つは削る方法で、竹?わりばし?のようなものでセンサー表面を削ります。


もう一つは磨く方法で、近江商人さんのカメラはこちらの方法みたいです。
綿棒に研磨剤をつけ、じっくり磨くようで。

詳細はこちら。
※現在は販売していない模様。

他にも、D5100も同じ方法で改造した人がいるみたいです。

では、次は実際の写真をば。


希望ヶ丘遠征結果-モノクロデジイチの実力やいかに

希望ヶ丘で撮影した作品の処理が終わりました。
(7/26画像差し替え)

1bb34d12.jpg


撮影場所
希望ヶ丘

撮影時刻 
2015.07.21 23h12m21s~

カメラ
L:Canon 600Dモノクロ改造近江商人さんから借用
  ISO1600、6min×8
RGB:D5100改 
    ISO1600、6min×8
RGB画像は色情報のみ使用、LRGB合成
上記LRGB画像を2コマモザイク (総露出時間3時間12分相当)

フィルター
L:Astronomik CLSクリップフィルタ
RGB:IDAS UIBAR-Ⅲ FFフィルタ

望遠鏡
L ミニボーグ71FL+7872(288㎜F4.1)
RGB ミニボーグ60ED+7866(231㎜F3.6)

ガイド
赤道儀:Vixen SXW
ガイド鏡:ミニボーグ45ED+7885
ガイドカメラ:1004XA改
ガイド:PHD guiding1.14 

処理
L:
DCRawにてベイヤー補間なし、スケーリングなしで現像
ステライメージ6.5にてダーク、フラット、バイアス処理、ホット・クールピクセル除去
CCDStack2.90(CCDIS/p)によりコンポジット
RGB:
CCDStack2.90(CCDIS/p)により、ダーク、フラット、バイアス処理、コンポジット
共通:
StellaImage6.5によりデジタル現像
PhotoshopCCでLRGB合成、モザイク、最終調整



ま、いいたいことはたくさんありますが、特に何も書きません。
私の失敗処理はともかくとして、是非こちらをご覧ください。
ダーク、フラット、コンポジット、デジ現はしていますが、カラー化前の画像です。

00912f05.jpg


詳しくは後程。。。

梅雨明けの希望ヶ丘遠征

遅くなりましたが、火曜の希望ヶ丘遠征のお話をば。

実は先週の火曜もほぼ同じ機材で涸沼へ行っていたのですが、
ピンボケとガイドエラーで満足なテストができず。
リベンジに希望ヶ丘へ行ってきました。

17時に定時ダッシュ。
実は寮から出て、会社の近くに住んでいるので
5分弱で到着。
さっと夕食を準備、すぐに就寝。

まだ明るいのもありますが、気温が高すぎて
荷物を積む気にならないというのもありました。

19時半起床、ぼちぼちと機材を積み込み。
今回はご紹介したルーフボックスの初陣であり、それ以外にも
新機材を満載で出発。

新機材の目玉はこちら。
62911633.jpg


ヤンマーTシャツ。サービス券50枚と引き換えにゲットしました!
(実は涸沼が初回でした)

これを来て観測、そのままヤンマーへ。
完璧な流れです。これなら曇っても安心(?)


多少道は混んでいましたが、予定より少し早目の21時半過ぎに希望ヶ丘到着。
早速mn3192さんがお声を掛けてくれました。
ぴんたんさんとRUKUさんもいらっしゃるとのこと。

お話ししたいのは山々ですが、まずは機材を。。。

ボーグ3兄弟のうち、71FLはすんなり撮影準備できたものの、
60EDがいうことを聞かず。。。
あと少しなのですが、ピントが合いません。

リングやヘリコイドを外しあーだこーだやっていると
RUKUさんが話しかけてくださいました。

私は格闘中なのでまともにお話しできず。。。
せっかく来ていただいたのにすみません。

23時くらいになってようやくセット完了。
ただ、60ED+7866のハロが多く気になります

少しだけピントを外したのですが、このせいで悲惨な結果に。
めちゃくちゃピンボケでしたorz

7885との組み合わせは悪くないんですけれどねぇ。
これは45EDにスイッチかなー。

ガイド鏡にするか、売却するかは考えます。


そして、次の新機材を。
新星景用ナノトラセットを投入。

涸沼テストの結果を活かし、改良しましたが
いまだに改善が必要。
追加機材は先程発注したので、詳しくは後程紹介します。

結果はこちら。
9bf53dea.jpg


D5100改、18-35㎜F1.8@18㎜F2.8、ISO1600、1分30秒×16、ナノトラッカーで追尾

低空に雲があったせいで多少不自然になりましたが、処理も含め
コツはなんとなくわかってきました。
あとは北海道での実戦投入あるのみです。


撮影中はRUKUさん、ぴんたんさんと雑談。
どうもRUKUさんも新兵器を導入するみたいで、私も勧められました。
ぴんたんさんの画像を見て決めたそうですが、多少私も迷いが生じました(笑)
まあ、しばらくは様子見で。


撮影の方はすこぶる快調。
えらくガイド安定してるな、と思ったのですが、
シーイングが良かったことと、風が無かったおかげでしょうね。
気温も18度くらいと、極めて快適でした。



心配していたモスキートの襲来も受けず、予定していたカットを
1時半くらいに終了。
フラットなどをちゃちゃっと済ませ、ぴんたんさんから「このバリバリの空で帰っちゃうの?」
と言われながら26時20分出発。

撮影中刺されなかったので油断していましたが、
どうやら車の中に入り込んでいたようで。
好き放題刺されましたorz
今でもカユイです。。。。

寝ていたこともあり、眠気に襲われることなくヤンマー到着。
今回は新メニュー、煮干し醤油つけめんにトライ。
026cc074.jpg


つけめん系の新メニューは外しませんね。
中盛りでもよかったかも。


週末は天気がよろしくないようで、今回の画像処理を
片付けようと思います。ついでに北海道遠征の準備も
出来る限り終えたいですね。

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