2017年02月
前の記事で予告した通り、銀平君の改造の詳細をば。
2015年に記事に一度まとめていますが、
その時からは一部変更した点がありますので、そちらをご紹介いたします。
経過をまとめると、以下の通りになります。
こうしてみると、ほぼ鏡しか残ってませんね(笑)
カテゴリ | 改造前 | 第一次 | 最終版 |
主鏡 | デフォルト | → | → |
主鏡セル | デフォルト | デフォルト | → |
主鏡固定 | ツメ押えによる3点固定 | 強力両面テープによる3点固定 | |
斜鏡 | デフォルト | → | → |
斜鏡セル | デフォルト オフセットなし | デフォルト オフセット、多用途接着剤+バスコークにて接着 | → |
斜鏡固定 | デフォルト スパイダーによる固定 | トップリングによる固定 | |
鏡筒 | デフォルト | Φ180㎜、t5㎜アルミ水道管から削り出し | → |
鏡筒バンド | デフォルト | なし(アリガタ直結) | → |
接眼部 | デフォルト | → | TS Monorail 2" Newtonian Focuser |
接眼部ベース | デフォルト | → | → |
コマコレ | - | Baader RCC1 | TS KomaKorr F4 |
ガイド | - | オフアキ(OAG27) | 親子亀 |
ガイド鏡 | - | - | 60mmF4ガイド鏡 |
2015年の第一次改造は上のリンクからご覧いただくとして、それから改良したところのみ
記事にします。
1)接眼部
デフォルト→TS Monorail 2” Newtonian Focuser
デフォルトのままではどうしようもなかったのですが、第一次改造では、
交換はせずネジを何か所か追加しています。
しかし、使っていく中であまりに使いにくく閉口。
TSに買い物があった際に、Monorail 2” Newtonian Focuserを買いました。
価格は142€と、レートにもよりけりですが2万はしません。
また、デフォルトの接眼部ベースを流用できる(取り付け部の直径が82㎜で同一)
というのも非常にポイントは高いです。
使った感じですが、「これがクレイフォードか!」というくらい快適。
減速装置もついてますし、非常になめらかでガタもありません。
また、重いカメラ(D810A)をつけてもびくともしません。
筒が丈夫っていうのも一役買っていますね。
GINJIで接眼部にお悩みの方にはぜひお勧めしたい逸品です。
2)コマコレ
Baader RCC1→TS Komakorr F4
もともとはRCC1でオフアキを狙っていましたが、オフアキが上手くいかないのと、
RCC1の外径が小さく、2インチスリーブの接続だと、スケアリング不良が頻発していました。
そこで、オフアキをあきらめてTS Komakorr F4にスイッチしました。
どうやらSkywatcherのF4コマコレと同じっぽいですね。
Skywatcherのは国内だと4万2千くらいですが、これは220€ってことで、2万5千強で買えるので
非常にお得です。
性能は前に記事にした通り。すばるももちろんコイツです。
フルサイズは無理ですが、APS-Cならばっちり。
APS-C限定でいいなら、非常にいい選択肢かと思います。
また、外径が大きめで、2インチスリーブにぴったり入るので
スケアリングが安定しているのも高ポイント。
MPCCならフルサイズでも使えるみたいですが、星像は球面収差のせいで
ぼてっとするようで、まともに使えそうなのはパラコアくらいでしょうね。
まあ、D810Aで使うとしても、DXクロップで使うつもりです。
3)ガイド
オフアキ(OAG27)→ガイド鏡(親子亀、60㎜F4)
オフアキがいいのは百も承知ですが、上記のようにRCC1がいまいちだったのと
オフアキで全然星が見つからず、諦めました。
ガイドカメラのセンササイズと感度が不足しているのが原因でしょうね。
600㎜ならそこまでガイド精度もいらないと思いますし、筒は頑丈ですから
撓みもあまり無いと思うので、オフアキの恩恵は小さいのかなと勝手に思っています。
KomakorrでもOAG9ならオフアキ化できるかもしれませんが、
ガイドカメラを更新したら、ですね。
現状は特に不満は無いです。
もうこれで最終版だと思いますが、再改造するときは記事にしたいと思います。
GINJIユーザの皆さんの参考になりましたら幸いです。
天文ガイドに掲載していただきました。
11月に朧滝で撮影したすばるです。
言わずと知れた超有名天体、しかも何のひねりもない構図ってことで
入選は厳しいと思っていましたが、幸運にも拾っていただけました。
3万の筒(←改造費は含まない)と2万のAPS-Cカメラでも勝負になるというのは
嬉しいものですね。
まあ、コマコレは筒よりちょっと高いくらいですし、改造費は筒○本分(一桁です)も
掛かっているので、安物の筒とはいえませんが…
600㎜位の焦点距離になってくると、星が1ピクセルに収束するってことは
無くなってきます。
反射系の場合は、フルサイズだと周辺減光が気になってくるので、
トリミング前提で使う場合も多いようで。
となると、長焦点はAPS-Cでも十分勝負になるのかもしれません。
何はともあれ、大枚はたいて改造した甲斐があったというものです。
ちょうどいい記念ですし、前に記事にした時から多少改造したので、
後で記事アップしようかなと思います。
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