今回で最終回、Photoshopで仕上げをしていきます。
1)ローテーショナルグラディエントの副作用の除去
ローテーショナルグラディエントの性質上、どうしても下写真のように
月の縁がギザギザになったり、プロミネンスが漏れだしたりとアーティファクトが出来てしまいます。
Photoshopを開き、ローテーショナルグラディエント処理した画像を下、
していない画像を上に配置します。
このために、デジ現直後の画像を保存する必要がありました。
※デジ現後やローテーショナルグラディエント処理後に画像をいじるとうまくいきません。
そのまま保存するようにしてください。
デジ現後の画像で、楕円形選択ツールを起動、shiftを押しながらドラッグして
月の大きさと全く同じ円を作成します。
十字キーで位置を動かせますし、右クリックから「選択範囲の変形」を押すと
大きさを微調整できます。
この状態で、レイヤーウインドウの「レイヤーマスクを追加」ボタンを押すと、選択範囲=月以外
がマスクされます。
つまり、月はデジ現後の画像、それ以外はローテーショナルグラディエント処理後の画像となり、
ローテーショナルグラディエントの副作用を除去できます(完全ではないですが)。
もし位置があっていなかったりすると失敗します。その場合には位置を合わせください。
2)Topaz Adjustによる疑似HDR処理
これはコロナの処理では普通はやらないかと思います。
1)の処理後にレイヤーをを統合し、PhotoshopのプラグインであるTopaz Adjustを起動します。
COLLECTIONはHDR COLLECTION、PRESETSはダイナミックポップ2を選択します。
これにより、一気にコントラストが上がるかと思います。
肝となるパラメータは「適応露光」と「境界」。
適応露光を大きくすると、HDR効果が大きくなります。
境界を大きくすると、より大きな構造に対してHDR効果が掛かり、輝度差が小さくなります。
言葉で説明するより、スライダーを動かしてみたほうがわかりやすいかと思います。
今回は適応露光0.80、境界18としました。
この辺は好みですので、いろいろ探索してみてください。
同じような効果をもつプラグインとして、Nik Collectionがあります。
HDR Efex Pro 2でいいはずなんですが、使ったことがないので良くわかりません。。。
最近の天ガに詳細な解説があったかと思いますので、そちらをご参照ください。
終わりに
基本的な処理は以上です。
この後、カラーバランスを整えたり、まあ「ごにょごにょ」やって完成としました。
ポイントはTopazかと思いますが、今ではこの手の処理は
直焦点写真では一般的なものになりました。
ただ、日食など天文現象の画像処理ではそこまで適用されていないのかもしれません。
あくまで感覚ですが、天文現象派と直焦点派は被らないような気がします。。。
私のようなハイブリッドは少数派なのでしょうね。
ま、それはさておき。
もう皆既日食の画像処理は終わった方が多いかと思いますが、ご参考になりましたら幸いです。