Shooting Stars - 北海道の星空の元で

天体写真を中心としたブログです。

2020年06月

部分日食遠征詳細

先に画像はアップしましたが、詳細を記事にしようかと思います。

日食1週間前の予報では、ここ茨城もそんなに悪い天気ではなく。
近間に視界の広い場所もあるので、遠征はせず「近征」で済ますつもりでした。

ところが、日が経つにつれてどんどん予報が悪化…
晴れそうな場所は日本海側の新潟付近、あとは宮城から岩手の太平洋側
房総半島の先端あたり。

当日新潟まで行くのはしんどいよなぁ、と思っていたのですが、
妻から「前日泊まればいいんじゃない?」とのお告げを。

その考えはなかったのですが、確かに前日は土曜日ですから
別に当日入りでなくてもいいわけです。

結構迷ったのですが、房総半島は天気もイマイチで、大してほかの2か所と
距離も変わらないのでなし、太平洋側も土曜の天気は良いものの
当日の天気がダメそうなので、新潟へ行くことに。

前日の宿泊先はどこでも良かったのですが、たまたま見つけた新発田市
駅前のホテルにすることに。
新発田に行くとなると、新潟を経由するよりも途中で高速を降りたほうが
早そうです。

そうなると、途中に空の暗そうな場所が。
夜の天気が良さそうなら観測する、ということで決定。

土曜の出発は16時前、結構遅い出発ですがまあいいでしょう。
常磐道から磐越道へ、相変わらず磐越道はガラガラ。
途中の磐梯山SAも空いていました。

山沿いに多少雲があるものの、天候は問題なさそう。
予定通り三川ICで高速を降り、目的地のキャンプ場駐車場へ向かいます。



まあこんな時期だし空いているだろうと高をくくっていたのですが、
予想に反して激混み…
キャンパーの方の邪魔をするのは良くないですし、空の状態を確認して退散。
次の候補地、ダム湖畔の公園を目指します。



最初は湖畔公園に行ったのですが、ここにもキャンパーが…
邪魔するのも悪いですし、もう少し奥の水谷公園へ。

該当なし、もちろん人もいません。
南東の視界は悪いですが、空は暗そうです。

野生生物の気配をひしひしと感じ、ビビりながら撮影。
17mm-2-復元

15mm-2

ほとんど光害の補正はしていません。
視界が狭いとはいえ、申し分のない星空でした。
透明度が良かったのですが、それにしても素晴らしい空ですね。
思わず全天魚眼でも撮影してみました。
_DSC9595

北から南東までは完璧に近い、ただ西側は近くに新発田市や新潟市の光があるので明るいです。
視界が狭いのはちょっと残念ですが、存分に天の川を楽しめました。


名残惜しいものの、ホテルのチェックインもありますし、野生動物が怖いので撤収。
帰り道、諦めきれずに農道の脇に車を止めて撮影してみました。
街灯があったので、遮るために車を配置したのですが結構いい感じですね。
Subaru-2

もう少し撮影したいなぁと思いつつ、翌日もありますから新発田駅前のホテルへ。
一泊して英気を養います。


翌日は新発田市内を散策しつつ、途中村上駅前で名物のはらこ飯をいただいて
目的地の笹川流れへ。

天候は快晴、海岸には多くの方が訪れていました。

本当は眼鏡岩海岸展望台へ行く予定でしたが、駐車場が満杯でNG。


もう少し北側にあった駐車場で陣取ります。到着は15時、
日食直線の太陽の日差しがぎらぎらと照り付けていました。

まあ、何はともあれ望遠鏡を展開。
いつもの71FL+E-M5コンビと、妻用の45ED+2xテレプラスもセットします。
P_20200621_163316

セットしてしまえばあとは5分おきに撮影するだけ。
雲があると面倒なのですが、今回はずっと快晴だったので、シャッタースピードを変える必要もなく。

18時には予定通り撮影完了。
せっかくですし日没、薄明が終わる前くらいまではいることに。

快晴ですから、もしかしたらグリーンフラッシュも、と思いスタンバイ。
低空に多少雲はありましたが、ワイングラスの夕日が見事。
P6210187

完全に沈むときにグリーンフラッシュが出るものだと思っていたのですが、
7割方沈んだ時に見られました
20200621green

これは間違いないでしょう。
完全に沈むときも微妙に出ていましたが、これほどははっきりとしていなかったです。

日食の撮影カットが23枚で半端だったので、グリーンフラッシュを含む欲張りセット。
妻には笑われましたが、結構いいと思うんですけれどね…
20200621_partialsolareclipse_greenflash


日没後は広角での日食撮影用の全景を。
まとめたのがこちら。
_DSC9687

ほぼほぼイメージ通りですね~
右側の岩に隠れないか冷や冷やしましたが、大丈夫でした。
画面左に写っている島は粟島です。


せっかくですし、薄明時の撮影も。
まずは比較明。
20200621

その後長時間、10分露光。
_DSC9752

こっちのほうが雰囲気ありますかね。意外と粟島が明るい。


ここで撮影して帰ってもいいのですが、天の川が出てくる東側は山だらけ。
あまり面白くないので、新潟の有名観測地、天蓋高原を目指します。

地図上ではくねくね道でしたが、ちゃんと対向車とすれ違える広い道で
一安心。

現地にはすでに先客が、2か所ある駐車場のうち、南側に2-3台の車が。
我々は誰もいない、広いほうの駐車場で展開。

ただ、天気はあまりよくありません。
_DSC9755


一応赤道儀が出しっぱなしだったので展開しましたが、これではねぇ…
対角魚眼で撮影はしてみました。
_DSC9759

雲さえなければもっと写ったと思いますが…

空の確認のため、全天魚眼でも撮影してみました。
_DSC9764

北西から東にかけては文句なし、東から南東は明るく見えますが雲のせいでしょう。
そこまで気にはならなさそう。
南は問題ないですが、南西の村上の光が気になりますね。

正直期待していたほどではないですが、視界は広いですし、
舗装路面でトイレもあるのはポイント高いかと。

天候は悪くなるようですから、短時間で撮影を切り上げて帰路につきました。


自宅に着いたのは朝4時過ぎ、運転は大変でしたが、アイサイトのおかげで
何とかなりました。いやーアイサイト便利ですねぇ。
高速道路では本当に頼りになります。


いろいろ詰め込んだ遠征でしたが、天候にも恵まれ良い遠征となりました。

今は梅雨空で、次いつ晴れるかも全く見通せない状況ですから
撮影できてよかったなと思います。
次は梅雨明けて、涼しくなってからですかね。

部分日食は全過程快晴でした

こういう季節ものは急いでアップしないといけないので、
取り急ぎ画像のみ。遠征先の新潟県村上市での撮影です。
20200621_partialsolareclipse

完璧な空で、笹川流れの景色のなか楽しめました。
詳細は後程アップします。

梅雨入り前のベランダ撮影

6/9~10の夜は、当地では珍しい好シーイングに恵まれ、
ベランダから月と惑星を楽しみました。

6/8~9も東京近辺ではシーイングが良かったようですが、
こちらでは25時くらいまでは全然ダメで、観測を辞めてしまいました。
もったいないことをしたのかもしれません。

共通パラメータ
鏡筒:VC200L+BORGコンパクトエクステンダーメタル(合成焦点距離3960㎜F19.8)
カメラ:ASI533MC Pro
フィルタ:SVBONY UV-IRカットフィルタ(Φ31.7㎜)

まずは月から。
ゲイン:350
露光時間:15ms
撮影フレーム:100枚
モザイク枚数:48枚(PhotoMarge)
画像処理:AS!3 上位50%コンポジット
SI6.5 マルチバンドシャープ
Photoshop 2020 ぶれの軽減
Topaz Denoise

20200609_MS_CameraRaw_解像度減_RS6_DenoiseAI_TopazAdjust

撮影も画像処理も大変でした(15000x12000pxくらいあったので)が、71FLの入選作は越えられたかなと。

以下備忘録:
Gain350は明らかに失敗。ノイズが目立ってしまったので、Gainは下げるべき
 ⇒次は100で試す。
Gainのせいもあるが、100枚では枚数不足。
 ⇒200枚くらいが良さそう。
極軸はきっちり合わせるべき。
 ⇒昼間の風景も活用する。

続いて木星。
ゲイン:400
露光時間:40ms
撮影フレーム:3000枚×4動画
画像処理:
AS!3 上位50%コンポジット
WinJUPOS Derotation
Registax6 Linked wavelet
Photoshop 2020 ぶれの軽減
Topaz Denoise
2020-06-09-1505_5_RS6_LW

修正版、LRGB合成しましたがあまり変わらなかったような…
2020-06-09-1505_5_RGB_RS6_LW-lrgb


最後に土星。
ゲイン:450
露光時間:80ms
撮影フレーム:3000枚×4動画
画像処理:
AS!3 上位50%コンポジット
StellaImage6.5 マルチバンドシャープ
Photoshop 2020 ぶれの軽減
Topaz Denoise
New2

木星や土星は画像処理でもう少し良くなる気もしますね…
でも、今までの作品よりはだいぶマシになったかと。

まあ、梅雨入り前に条件が良い晩に撮影できて良かったです。

天文ガイド入選

7月号の天文ガイドに入選しました。

撮影した時のエピソードはこちら。


20200407_1-2-2-2

振り返ってみると、「月食」とか「惑星食」「恒星食」での入選はありますが、
普通の月面での入選は初めてです。
この日は良いシーイングでしたし、ASI 533MC Proも良い仕事をしてくれていましたが
所詮は71㎜の屈折での写真、入選するとは思っていなかったのでびっくり。

とりあえず、ASI 533MC Proに勝ち星を付けてあげられたのは良かったですね。
次はVC200Lと行きたいところですが、中々ハードルが高そうです。
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