Shooting Stars - 北海道の星空の元で

天体写真を中心としたブログです。

2020年10月

VC200Lことはじめ その0

最近はVC200Lでの撮影がメインとなっています。
まだまだ完璧なシステムとは言えませんが、それなりにまとまってきたので
「VC200Lことはじめ」という連載記事でまとめてみようかと思います。

ファーストインプレッション、セカンドインプレッションは記事にしました。





最初は惑星撮影から入りましたが、それだけではもったいないので
お盆に直焦点デビューしました。

VC200Lそのままの状態で直焦点は厳しいので、磯じいさんをはじめ先人たちの
アドバイスをもとに、下記の改造方針を立てました。

・デフォルトのアリガタ直付けではなく、鏡筒バンドを使う
・鏡筒バンド間の距離を稼ぐ、ロスマンディアリガタを使う
・接眼部側に重心をオフセットする
・赤道儀のレスポンスを改善する

具体的には下記の改造を施しました。

鏡筒
・アリガタを外し、ビクセン純正の232㎜鏡筒バンド取り付け
・ロスマンディ互換のアリガタ取り付け
・アルミプレートを購入、トッププレートとして取り付け
・レデューサーSD購入

赤道儀・ガイド
・SXW赤道儀のSS-one改造
・ASI120MM-Sを導入
・ビクセン、ロスマンディ両方載せられるアリガタを購入
・SXマルチクランプユニット購入

アクセサリ
・フードの自作
・透明バーティノフマスクの自作

これらの改造内容について記事にしていこうと思います。

希望が丘遠征

先週土曜は希望が丘へ行ってきました。
夕方くらいに雨が降る予報、天気は西から回復してくるようですが
丘は何とも微妙なお天気。

T-Fixさんとsora-canさんは城里へ出かけるとのこと。
久々にお会いしたいとは思ったのですが、1週間前に北海道に行っていて
完璧な星空を見ていたので、城里では満足できないだろうなぁと。
まあ曇ってもいいや、ということで丘へ

出発は20時過ぎ、途中里美のあたりから猛烈なガスが
滝はガスまみれでしたが、山を昇っていくにつれてガスからは抜けました。

22時に到着、雲はありますがガスってはいません
雨上がりということもあり地面はびしょびしょ、風もないので今にも
ガスりそうな雰囲気です。

週末ですし誰かいるかなぁと思いましたが他には誰もおらず
ぼっちではありますが、北海道のようなヒグマの恐怖はないので
落ち着いて撮影できます。

まだ月明りはありましたが、とりあえず鏡筒をセット。
_DSC3443

我ながらなかなかいい感じです。ピントを合わせたり、準備を進めます。

24時、月没頃から撮影開始。
ガイドが相変わらずイマイチで四苦八苦しましたが、まあまあ使えそうな感じ。


空は雲海のおかげもあってか十分な暗さ。

_DSC3450

肉眼ではちょっと厳しい感じでしたが、うっすら対日照も見えていました。

北側は8月に来た時より暗いなぁ、雲海のおかげかと思っていましたが
T-Fixさんより近くの温泉施設の灯りとご指摘いただきました。

南西の方向は水戸や関東平野の灯りですが、かなり目立ちますね…
年々明るくなっているような気もします。

_DSC3453

_DSC3451

機材と車とともに。



その後も04時半、薄明開始まで目一杯撮影。心配していた雲も来ることもなく、
明け方にかけてちょっと湿度も下がったのか夜露も問題なし。

ささっとフラットを撮影して撤収。帰りは予想通り雲海でしたが、
そんなに濃くはなかったような気がします。
_DSC2384


で、画像処理も終わったのでアップします。
これを撮るためにVC200Lを買ったようなものです、
冬の定番のオリオン大星雲です。

Mean_all_2_2

撮影時刻:10/24 21:06:49~
撮影場所:希望が丘
鏡筒:Vixen VC200L +レデューサーHD(焦点距離1386㎜F6.9)
追尾:Vixen SXW赤道儀(SS-one改造)
ガイド鏡:BORG 45ED
ガイドカメラ:ZWO ASI120MM
カメラ:Nikon D810A(ISO1600)
露光時間:10分×21枚、2分×8枚、20秒×8枚、4秒×8枚コンポジット(総露出時間228分)
画像処理:RAP2でフラット、ダーク補正
     CameraRawでRAW現像(ノイズ処理、明瞭度、かすみの除去等)
     CCDStack2でコンポジット
     StallaImage6.5でデジタル現像、ガンマ補正
                  Photoshop2020で最終仕上げ

構図は上過ぎましたねorz
ランニングマンが切れてしまってバランスが悪いですが、
流石は長焦点、迫力があります。

段々冬の気流になってシーイングが厳しくなりますが、
やっぱり長焦点は長焦点の良さがありますねぇ。


フラットが間違っていたのと、あまりにケバいので差し替えました↓
Meanall2_MS

晩秋の北海道遠征

先週のことになりますが、北海道に撮影旅行に行ってきました。
10/18に羽田から旭川空港へ。羽田へ行くのも久々です。

旭川空港でレンタカーを借りましたが、車種指定していたルーミーが
ノーマルタイヤ
とのこと。
ヤリスハイブリッドならスタッドレスあるよとのこと。

流石にこの時期ノーマルはあり得ないのでヤリスハイブリッドに変更。
そもそも予約時点でほとんどレンタカーが残っていなかったので、
やりくりが上手くいかなかったのでしょうかね。

美瑛の道の駅でこれまた久々のsakumaくんと合流
道の駅もかなり混んでいて、望岳台へ向かう途中の青い池も満車状態。

道中は雲が多いものの紅葉真っ盛り。
見ごろが短いせいか、北海道でまともに紅葉を見た記憶がありません。
今年はどういう理由かはわかりませんが、紅葉はきれいな気がしましたねー

望岳台は登山の方々が多い感じ、十勝岳やほかの山々は真っ白に雪化粧。
中腹はちょっと散り気味ですが、紅葉で鮮やかに染まっていました。
_DSC1590

_DSC1608

山の上まで晴れてくれませんでしたが、十分楽しめました。


夕食のために一度山を下り、いつもの「だいまる」さんへ。

ゲン担ぎってわけではないですがかつ丼を。やっぱり安定のおいしさ。


ただ、予報通り雨がぽつぽつと…
元々はアンガスへ行く予定でしたが、予報が大幅に悪化。

アンガスの風景はぜひとも撮影したいところではあったものの、
山が隠れるなら意味ないですからねぇ。

そこでアンガスを諦め、晴れていそうな富良野方向へ移動することに。
特に撮影ポイントは知らないのですが、Googleで展望台を検索したところ出てきた
麓郷の展望台へ行ってみることとしました。

まあこんなところに誰もいないだろう、と思っていたのですが、
結構な台数の車が止まっています。

しかも「マクストフ」「双眼望遠鏡」とのワードが。
まさかカムイミンダラさんがいるわけないよなぁ、とsakuma君と話しつつ、
とりあえず星景撮影を開始。

_DSC1677


撮影中に耳を澄ませると、聞き覚えのある声が。
これは間違いないということでご挨拶。カムイミンダラさんは驚いたみたいですが、
当然といえば当然ですね。別に事前に相談したわけではなく、完全に偶然ですからねぇ。
しかも今回初めて行った場所ですし。

_DSC1734

_DSC1755


星景写真の合間にお話ししつつ、海王星や天王星、M31などを見せていただきました。
ご本人も仰っていましたが、特にM31は絶品ですね
立体感ある描写と暗黒帯が素晴らしかったです。
どうもありがとうございました。久しぶりにお会いできてうれしかったです。


ここで朝まで、というのも考えましたが、せっかくだし望岳台にも行ってみたい
天候も急速に回復、山もちゃんと見られそうです。

そこで日が変わるくらいのタイミングで望岳台へ戻ることとしました。
望岳台は期待通り快晴、ちょうど冬の大三角が昇ってきたところでタイミングもバッチリ。

_DSC1876

bougakudai_3

透明度も最高で、素晴らしい星空を堪能しました。
とはいえ03時くらいになると山と冬の星座の撮り合わせも難しく、
疲れもあるので仮眠することに。
そのためのルーミーでしたが、ヤリスハイブリッドは狭かったですね…


朝8時、ここでsakumaくんとはお別れ。
懐かしの旭川永山のヤンマーへ。
2020-10-17


その後層雲峡で紅葉撮影。ほぼベストといっていい状態でした。
_DSC1943

_DSC1997

石北峠を越えて塩別つるつる温泉へ、紅葉を愛でながらの温泉は実に風流です。
_DSC2011


北見では定番のトリトンへ、たらふく鮨を頬張りつつ目的地のハイランド小清水へ。
ここは北海道一の星見スポットと仰る方もいるくらいのポイント。


日曜夜ということもあってか、私以外誰もいません

確かに空は暗いのでしょうが、消えているはずの街灯が煌々と照り付けていました
話が違うじゃないか、と思いつつ、駐車場から130mの展望台へ。

今年はクマが良く出没する、という話は聞いていたので、
タブレットから最大音量で音楽を流しつつ、ビクビクしながら先へ進みます。

確かに景色は素晴らしい、赤道儀をセットして天の川をパチリ。
_DSC2035

3分2枚までは頑張りましたが、あまりに怖かったので逃げるように撤収。
流石にぼっちで展望台に居座る勇気はありません…ほかに誰かいればまだ考えますが…


とはいえ、駐車場からでは街灯が邪魔過ぎて撮影する気になりません。
ちょっと降りたところにもう一つ公園があるとのことで、そこへ向かってみました。



道道から近く、ヘッドライトの影響はありますが街灯はありません。
見上げるとハイランド小清水の明るい街灯も見えるので、消えたなら
戻ればいいか、ということで撮影開始。

_DSC3403

空は思っていたより明るいなぁという印象、大気光が目立つというものありますが…
それでもいつもの撮影地よりはずっと暗いですけれどねぇ。

_DSC3434


オリオンが昇ってきたところでパチリ。
まあこれはこれで悪くないんですが、あんまり北海道っぽくないような気も。

30㎞先の摩周湖の第三展望台へ行くのも考えましたが、眠くなってきたので
とりあえず寝ることに。

日が変わるくらいに起きて、外に出てみるとあのハイランド小清水の街灯が
消えている
ではないですか!
時間は0時14分、0時に消えたんじゃないかなと。

車に乗ってハイランド小清水へ、相変わらず誰もいません。
事前情報通りトイレの街灯はありますが、この程度なら十分撮影できます。

いろいろ撮影しましたが、圧巻は冬の大三角が南中した時。
ちょうど金星が昇ってきて火星が沈むタイミングで、その間を黄道光と
対日照が繋いでいました。もちろん、対日照まで肉眼で余裕で見えます
8mmsoft

北側はちょっと美幌や北見の光が気になりますが、ほぼ完璧といっていいでしょう。
三石にも勝るとも劣りません。三石は視界が狭いのでその分有利ですし、
ハイランド小清水は標高が高いため、天の川の迫力は一枚上手です。

雲海が出るともう一段暗くなるそうですが、残念ながら
雲海は全くありません。一度お目にかかりたいものですが、
次のお楽しみですねぇ。

_DSC2165

斜里岳から白み始める景色を堪能しつつ、眠りにつきました。




朝も快晴、怖くて行けなかった展望台へ。
_DSC2169

矢印が明るかった街灯です(あと2つ、合計3つ)
展望施設は夜間閉鎖で入れません。

昼間なら別になんてことはないんですけれどねぇ。逆光ですがいい風景です。
_DSC2174

高々130mなんですけれど、この130mが夜は遠い…
_DSC2175


紅葉を楽しみつつ美幌へ、記憶が定かではないですが
10年ぶりくらいの美幌温泉へ、そして美幌ヤンマーで〆。

2020-10-18



アンガスに行けなかったのは残念でしたが、偶然にもカムイミンダラさんに
お会いすることができ、富良野と望岳台、ハイランド小清水の
星空と盛りだくさん。紅葉も素晴らしく、昼の風景も楽しめました。

やっぱり北海道は最高ですね。次はいつ行けることやら。
実は撮影した画像はまだまだあるんですが、手が回っておらず。
ぼちぼちアップします。

火星大接近

昨日は火星大接近でしたね。
前後1~2週間は大して視直径も明るさも変わりませんが、大接近当日は撮影できるなら
撮影できたほうがいいですよね。
半ばあきらめていましたが、22時前くらいから晴れてきました。

シーイングはダメダメかと思いましたが、部屋のカーテンを閉めたところ劇的に改善。
流石に外気温も下がり、部屋とベランダで気温差が出来て揺らぎが発生していたみたいです。

23時前には曇ってしまいましたが、その間に撮影した画像をば。
2020-10-06-1322_4-LRGB

鏡筒:VC200L+AstroStreet 2.5xバロー+ZWO ADC
カメラ:ASI120MM-S(L), ASI533MC Pro(RGB)
フィルタ:ノーフィルター(L), SVBONY UV-IRカットフィルタ(Φ31.7㎜)(RGB)
ゲイン:40(L), 350(RGB)
露光時間:15ms(L), 30ms(RGB)
撮影フレーム:21614(L),  11984(RGB)
画像処理:AS!3 上位40%コンポジット
Registax6 Wavelet変換(Linked Wavelet)
WinJuPOS(Derotation, LRGB合成)
Photoshop 2020

RGBはイマイチでしたが、Lはかなり頑張ってくれました。LRGB合成した甲斐があったようで。
Lにはフィルタを入れなかったので、IR成分が頑張ってくれたような気がします。
ま、巨匠たちの作品には遠く及びませんが、個人的には十分な写りで満足。
せっかくの大接近、もう何度か楽しみたいところですね。

中秋の名月

昨日は中秋の名月でしたね。
快晴の空の元、ゆっくりとお月見。
せっかくですし月見団子も作ってお供え。

_DSC1549


ついでにVC200Lで撮影。
VC200L直焦点とASI 533MC Proとの組み合わせだと、4枚モザイクでぴったり入ります。
20201001

シーイングはメッタメタでしたが、意外と見栄えがしますね。記念写真としては十分でしょう。
もう少し写るようならバーローで拡大しようかと思いましたが断念。

念のため火星も観てみましたが、ピント位置さえわからない始末。
涼しくなったのはいいですが、シーイングはもうダメなのかも…
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