Shooting Stars - 北海道の星空の元で

天体写真を中心としたブログです。

掩蔽

皆既月食遠征詳細

皆既月食の遠征の詳細をば。

元々は皆既食中の限界線の遠征を考えていました。
限界線自体はちょくちょくある現象ではあるのですが、皆既食中の限界線となるとなかなかない現象。
普段は月の明るい面からの光が明るく、目で見ても倍率を上げないと見えないことも多いです。
皆既食中ならそんなことは一切ないので、かなり期待していました。

限界線が見られるのは函館~静内~更別~釧路~根室といったライン。
スクリーンショット 2025-09-09 124805

静内が近いですが、ポイントが取れそうにない感じ。
更別は畑の中ですので、ポイント取りには何ら問題なさそう。

とはいっても曇ってしまってはしょうがない。
Windy (ECMWF) とSCWで全然予報が一致していませんが、どっちにしろ更別は厳しそうなのと、天気が悪かった時のダメージがデカいので、SCWで晴れると言っている、白老近辺の近間で済ますことにしました。


sakuma君から連絡が来ていたのと、カムイミンダラさんにも連絡したところ、日高方面への遠征をお考えとのことですが、私と合流しても良いとのお返事を。

22時過ぎに出発、先についたカムイミンダラさんより、当初予定していた場所がガスっているとの連絡をいただきました。

近くに湿原があるので、そのせいかもと思い少し苫小牧側のポイントへ来ていただくことに。
現地に到着したのは23時半くらい、先にカムイミンダラさんが到着済です。

昼に降っていた雨の影響もあり、地面は水たまりもあるような状況。ガスはありません。

どこにしようか相談しているうちにsakuma君たちが到着。
ちょっと奥に入ったところで展開することと決定。

機材はVC200Lと71FLを持ってきていました。
風も無いので、できればVC200Lを使いたいところではあります。

とりあえずSXWにVC200Lをセットしようとしますが、赤緯方向がクランプを締めてもガタガタ。
万事休す、と思いましたが、鏡筒を取り付ける部分のSXマルチクランプユニットのねじが緩んでいただけでした。

VC200Lのセットアップは順調。
撮影してみたところ、期待しているよりもシーイングは良くなさそう
71FLへの切り替えも考えましたが、付け直すのも面倒ですのでそのままにしておきました。
DSC_8515

撮影風景、奥のほうにカムイミンダラさんやsakuma君たちの機材が見えます。


部分食開始の時点では多少雲がありましたが、だんだんと抜けてきました。
カムイミンダラさんが15cm屈折を展開してくださったので、月をメインに土星や木星を見せていただきました。

私も双眼鏡(Nikon 7x50 SP) を三脚に乗っけて見てもらったのですが、こちらはかなり好評でしたね。
食部が小さい部分食の間はカムイミンダラさんの15cm屈折が肉眼に見た目が近く、かつ迫力満点な見た目でしたが、かなり欠けてくると双眼鏡のほうが色も良く出ていましたし、立体感もあって非常に良かったです。

すぐに結露するのには閉口しましたが、持って行って正解でしたね。


それなりに空の暗い場所でしたので、皆既中は天の川も。
構図はいまいちですが、流れ星も流れていました。
DSC_8541

皆既が終わったくらいのタイミングで、少しずつ空が明るくなってきました。
そのまま撮影を続行。

空はすっかり冬の星座たちが昇ってきていました。
DSC_8548

朝5時、あたりは完全に明るくなっています。
月没までしっかりと見届けました。

撤収開始、その間に太陽が。
中々完全に明るくなるまで撮影することはないので新鮮でしたね。

サケ釣りをしても良かったのですが、波が高いのと思いのほか疲れていたので断念。
で、そのまま帰っても良かったのですが、せっかくの平日休み、帰り路にマルトマ食堂に寄ってみました。

朝5時半過ぎとはいえそこそこ行列になっていましたが、まあ1時間もあれば、と思っていたもののそこまで甘くなく。
着丼したのは7時12分。1時間半待ちでした。
DSC_8552

味はもちろんおいしいのですが、まあ1時間半待つほどのものではないなぁというのが正直な感想ですね。
店を出るときは数倍の行列になっていました。平日でこれとは恐ろしいですね。。。


天候が不安ではあったものの、なんだかんだ全過程晴れてくれて満足です。
撮影も特に失敗もなく、きっちり全過程まとめることができました。
20250908

限界線は少々心残りではありますが、衛星画像を見るに現象時刻には曇っていたのではないかと。
スクリーンショット 2025-09-09 102552

来年の3月3日にもありますが、こちらもできれば遠征したいですね。

皆既月食撮影成功!

今日の明け方は皆既月食でした。

北海道の天気予報はいまいちでしたが、何とか全過程撮影できました。
_DSC8194

詳細は後程…

皆既月食撮影詳細

もはや10日前となってしまいましたが、皆既月食の遠征記をば。

sakumaくんから1週間くらい前に観測のお誘いが。
私も妻も年休を取得済だったので、一緒に遠征することに。

予報は良くなったり悪くなったりを繰り返していましたが、
本州ほどは良くないものの、それなりに観測できる雰囲気でした。

前日の予報では室蘭の辺が晴れそう
空は暗くなさそうですが、この際月食が撮影できればそれで良し。
当日の予報により決定する、として就寝。

当日になると予報が変わり、十勝のほうが良さそう
windy


SCW

SCWでは室蘭でも良さそうですが、札幌が晴れる予報になっています。
札幌が晴れるのは胡散臭い、SCWよりWindyを信じようということで
十勝へ向かうことに。

室蘭と比較すると遠いですが、高速で3時間、200㎞弱。翌日は出勤とは言え、
現象が終わるのが22時くらいなので何とかなるでしょう。

13時過ぎに出発、途中占冠ICで合流し、十勝川温泉の道の駅に着いたのは16時半くらい。
目をつけておいた河川敷の公園へ向かいます。

ところが、冬季のためか駐車場のほとんどが封鎖されていました
もう一か所、展望台に向かったところ、先客が多いうえに、月が良く見えません。

仕方なく、街灯はあるものの途中の駐車場へ。
月の方角は問題なく撮影できそうです。

時刻は17時過ぎ、一気に機材を展開。
VC200L+RD、71FL、妻用に45ED、眼使用にMAKSYと4台準備しました。

Image_20221109_092453_787

天気は快晴で、極軸もピントもバッチリ(これは非常に良かった)
18時過ぎからの現象に備えます。


皆既食前半は順調そのもの。
天気もいいし、撮影も特に問題なく。

皆既食が始まっても相変わらず良いお天気。
これは妻のiPhoneの写真ですが、ちゃんと皆既中の月が写っていますね。
Image_20221109_092454_096

途中星景を撮りに行きましたが、街灯が明るくてどうにもなりません。
こちらは早々に切り上げます。


そうこうしているうちに天王星が月に近づいてきました。
30秒インターバルで撮影していると、雲が…

そこまで厚い雲ではありませんが、低空の雲で濃淡が激しく
露出が安定しません。

本当は撮影はカメラに任せて、現象はMAKSYで見ようかなと思っていたのですが
それどころではなく。

何処に天王星がいるのかもわからず、気づいたら20時50分。予報時刻は20時49分です(勘違いでしたが
ああ、もう天王星は隠れたからあとはのんびり、と思っていたのですが、
実際の現象時刻は20時52分過ぎだったようで。

妻とsakumaくんは撮影に成功していたものの、私はャッターの押し忘れという
酷い理由で撮影失敗orz


一番天王星が近づいていた写真はこちら。
_DSC3548

ターコイズフリンジと天王星食(の一歩手前)は本州では撮影できないはずなので、
結構貴重かも?
天王星がちゃんと水色に写ったのはびっくりしました。当たり前と言えば当たり前ですが。


連続だとこんな感じ。
Uranus

最後一つ、足りてないんだよなぁ…


以降、雲が断続的に通過したものの、食分0.6くらいになったら雲が抜けました。
タイミング悪いなぁ…

22時、天気は快晴。
素早く撤収して帰路につきました。


速報版は71FL+Zfcでしたが、VC200L+Z6IIはこちら。
Z6II

シンメトリーにこだわってみました。
細かく見ると粗はありますが、まあそれなりに見られる写真でしょう。


天候判断は正解だったかは分かりません。
とは言え、全過程撮影は出来たわけですし、それは良かったかなと。

天王星食はシャッター押し忘れで失敗という残念な結果に。
もう見られることはないでしょうから、ちゃんと予報を見なかったのが良くなかったですね…

また、撮影地の選定もイマイチ。
冬季閉鎖は頭になかったです。こちらももう少しちゃんと調べておかないとだめですね。


札幌も11/16に遅めの初雪が。
これからは十勝晴れの季節、運転に気をつけつつ撮影に行きたいですね。

部分日食遠征詳細

先に画像はアップしましたが、詳細を記事にしようかと思います。

日食1週間前の予報では、ここ茨城もそんなに悪い天気ではなく。
近間に視界の広い場所もあるので、遠征はせず「近征」で済ますつもりでした。

ところが、日が経つにつれてどんどん予報が悪化…
晴れそうな場所は日本海側の新潟付近、あとは宮城から岩手の太平洋側
房総半島の先端あたり。

当日新潟まで行くのはしんどいよなぁ、と思っていたのですが、
妻から「前日泊まればいいんじゃない?」とのお告げを。

その考えはなかったのですが、確かに前日は土曜日ですから
別に当日入りでなくてもいいわけです。

結構迷ったのですが、房総半島は天気もイマイチで、大してほかの2か所と
距離も変わらないのでなし、太平洋側も土曜の天気は良いものの
当日の天気がダメそうなので、新潟へ行くことに。

前日の宿泊先はどこでも良かったのですが、たまたま見つけた新発田市
駅前のホテルにすることに。
新発田に行くとなると、新潟を経由するよりも途中で高速を降りたほうが
早そうです。

そうなると、途中に空の暗そうな場所が。
夜の天気が良さそうなら観測する、ということで決定。

土曜の出発は16時前、結構遅い出発ですがまあいいでしょう。
常磐道から磐越道へ、相変わらず磐越道はガラガラ。
途中の磐梯山SAも空いていました。

山沿いに多少雲があるものの、天候は問題なさそう。
予定通り三川ICで高速を降り、目的地のキャンプ場駐車場へ向かいます。



まあこんな時期だし空いているだろうと高をくくっていたのですが、
予想に反して激混み…
キャンパーの方の邪魔をするのは良くないですし、空の状態を確認して退散。
次の候補地、ダム湖畔の公園を目指します。



最初は湖畔公園に行ったのですが、ここにもキャンパーが…
邪魔するのも悪いですし、もう少し奥の水谷公園へ。

該当なし、もちろん人もいません。
南東の視界は悪いですが、空は暗そうです。

野生生物の気配をひしひしと感じ、ビビりながら撮影。
17mm-2-復元

15mm-2

ほとんど光害の補正はしていません。
視界が狭いとはいえ、申し分のない星空でした。
透明度が良かったのですが、それにしても素晴らしい空ですね。
思わず全天魚眼でも撮影してみました。
_DSC9595

北から南東までは完璧に近い、ただ西側は近くに新発田市や新潟市の光があるので明るいです。
視界が狭いのはちょっと残念ですが、存分に天の川を楽しめました。


名残惜しいものの、ホテルのチェックインもありますし、野生動物が怖いので撤収。
帰り道、諦めきれずに農道の脇に車を止めて撮影してみました。
街灯があったので、遮るために車を配置したのですが結構いい感じですね。
Subaru-2

もう少し撮影したいなぁと思いつつ、翌日もありますから新発田駅前のホテルへ。
一泊して英気を養います。


翌日は新発田市内を散策しつつ、途中村上駅前で名物のはらこ飯をいただいて
目的地の笹川流れへ。

天候は快晴、海岸には多くの方が訪れていました。

本当は眼鏡岩海岸展望台へ行く予定でしたが、駐車場が満杯でNG。


もう少し北側にあった駐車場で陣取ります。到着は15時、
日食直線の太陽の日差しがぎらぎらと照り付けていました。

まあ、何はともあれ望遠鏡を展開。
いつもの71FL+E-M5コンビと、妻用の45ED+2xテレプラスもセットします。
P_20200621_163316

セットしてしまえばあとは5分おきに撮影するだけ。
雲があると面倒なのですが、今回はずっと快晴だったので、シャッタースピードを変える必要もなく。

18時には予定通り撮影完了。
せっかくですし日没、薄明が終わる前くらいまではいることに。

快晴ですから、もしかしたらグリーンフラッシュも、と思いスタンバイ。
低空に多少雲はありましたが、ワイングラスの夕日が見事。
P6210187

完全に沈むときにグリーンフラッシュが出るものだと思っていたのですが、
7割方沈んだ時に見られました
20200621green

これは間違いないでしょう。
完全に沈むときも微妙に出ていましたが、これほどははっきりとしていなかったです。

日食の撮影カットが23枚で半端だったので、グリーンフラッシュを含む欲張りセット。
妻には笑われましたが、結構いいと思うんですけれどね…
20200621_partialsolareclipse_greenflash


日没後は広角での日食撮影用の全景を。
まとめたのがこちら。
_DSC9687

ほぼほぼイメージ通りですね~
右側の岩に隠れないか冷や冷やしましたが、大丈夫でした。
画面左に写っている島は粟島です。


せっかくですし、薄明時の撮影も。
まずは比較明。
20200621

その後長時間、10分露光。
_DSC9752

こっちのほうが雰囲気ありますかね。意外と粟島が明るい。


ここで撮影して帰ってもいいのですが、天の川が出てくる東側は山だらけ。
あまり面白くないので、新潟の有名観測地、天蓋高原を目指します。

地図上ではくねくね道でしたが、ちゃんと対向車とすれ違える広い道で
一安心。

現地にはすでに先客が、2か所ある駐車場のうち、南側に2-3台の車が。
我々は誰もいない、広いほうの駐車場で展開。

ただ、天気はあまりよくありません。
_DSC9755


一応赤道儀が出しっぱなしだったので展開しましたが、これではねぇ…
対角魚眼で撮影はしてみました。
_DSC9759

雲さえなければもっと写ったと思いますが…

空の確認のため、全天魚眼でも撮影してみました。
_DSC9764

北西から東にかけては文句なし、東から南東は明るく見えますが雲のせいでしょう。
そこまで気にはならなさそう。
南は問題ないですが、南西の村上の光が気になりますね。

正直期待していたほどではないですが、視界は広いですし、
舗装路面でトイレもあるのはポイント高いかと。

天候は悪くなるようですから、短時間で撮影を切り上げて帰路につきました。


自宅に着いたのは朝4時過ぎ、運転は大変でしたが、アイサイトのおかげで
何とかなりました。いやーアイサイト便利ですねぇ。
高速道路では本当に頼りになります。


いろいろ詰め込んだ遠征でしたが、天候にも恵まれ良い遠征となりました。

今は梅雨空で、次いつ晴れるかも全く見通せない状況ですから
撮影できてよかったなと思います。
次は梅雨明けて、涼しくなってからですかね。

アルデバラン食

15日の夜(16日未明)、近くの田んぼにアルデバラン食を見に行ってきました。
ものすごーく久々に掩蔽関係の記事を書いたような。。。

天気は快晴で、スーパームーン過ぎの満月がまぶしかったです。
シンチは最悪でしたが、まあこの時期は仕方ないですよね。

全過程はこちら。
3b8a2f3e.jpg

アルデバランの位置が少しずれているのはご愛嬌ということで。。。


出現時は動画を撮ってみました。
全画面表示でないと出現が見えないので、是非全画面表示で。


40秒過ぎくらいに出現します。これだけ対象星が明るいと楽勝ですね~


久々の掩蔽でしたが、やっぱりいいもんですね。
たまには観察に行くのもいいのかもしれません。

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